[携帯モード] [URL送信]

「あっ、祐奈!!ありがと!!
なんで俺が弁当忘れたの知ってるの?」

俺もそれは気になった。超能力か!?

「母さんからメールがあったの!!だからだよ。」

普通の答えだった…“超能力”なんて考えた奴…激ダサだな……

「そっか!!まぁ、ありがと!!」


「ううん。別にいいよ。


―――あ、宍戸先輩ですか?」


「…ん?あぁ。」


この兄弟の会話を隣で聞いていたら、俺は慈郎の妹に話し掛けられた。


「私、芥川慈郎の妹なんですけど………



私と走りの勝負してください!!」


「は?」
何を言うのかと思えば、走りの勝負をしてほしい…だと?


「なんでだよ?」

「私、今年陸上部に入ったんですが、実力を試すために!!お願いします。」

「んな事、陸上部の奴に頼めよ。」


「宍戸先輩がいいんです!!

だって、陸上部の先輩に私が勝ったら……申し訳ないじゃないですか?」


ビクっ

こいつかなりスゴいオーラが出てる。

真っ黒い…
例えるなら、そう……ラスボスの様な…
「宍戸ぉ〜俺からも頼むCー
走ってあげて。祐奈かなり速いしさ!」

慈郎まで口を挟んできやがった…だが!!


「イヤ。辞めておく。」

あんな真っ黒い奴の側にいたら殺される…
オーラだけでも人を殺せそうだ…

女…しかも年下相手に激ダサかもしれないが、あれは本気(マジ)でヤバいぜ…


俺は全速力で走り出した。

「あ、宍戸先輩!!待って下さい!!」

奴は追いかけてきやがった…




「ま、また今度にし、し、し…しようぜ!!」
しばらく逃げて、俺はしょうがなくそう言い放った。しかもどもっちまった…
激ダサだぜ……


だが

「ホントですか!?」
奴は止まってくれた。

「あ…ああ…」

「じゃあまた明日昼休みに来ますね。
私は制服のままでも十分走れますけど、宍戸先輩は?」

「お、俺も平気だ。」

「分かりました。それではサヨウナラ…」

奴は頭を下げて、自分の教室へ帰っていった。

「はぁ…」
この時俺は助かったと思った。
だけど奴はそんなに甘くなどなかった。



[*前へ][次へ#]

2/3ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!