頂
真夜中の恋心(ロベアイ)
ロベルトと一緒に寝るようになって気付いた事、彼は本当に暗闇が駄目らしい。
小さな灯りを消してしまうと、何も言わないけどなかなか寝付けないのに気付いてしまった。
灯りを付けたまま寝ようと提案するのは簡単だけど、何故だか私はロベルトに夜を好きになってもらいたいらしい。何故だか、分からないけれど…
「ねぇ、起きてるでしょうロベルト」
「え…あ、はい」
私はベッドから抜け出すと窓に近付いた。窓を開けると砂漠地帯特有の夜の冷たい風が吹き込む。だけど、こんな晴れた夜の方が良い。
「プリンセス、風邪ひきますよ」
ロベルトが慌ててショールを持って駆け寄って来てくれた。
「ロベルト、少し外に出ましょう」
「だから風邪ひきますって…」
「あら、それならロベルトがあたためてくれたらいいじゃない」
「…負けました」
テラスから外を眺める。ロベルトは私を後ろから包み込むように抱きしめていてくれる。そう、私はこんな時間が大好きだ。
「ロベルト、あんたはどっちが好き?」
「?何と何でどっちなんすか?」
「夜景と…この星空」
どちらもきらきら輝いていて、私は幼い頃から二つとも大好きだった。夜空を眺め過ぎて首が痛くなる位。
「…俺は…」
ロベルトが言い淀んでいる。どちらにもそれ程興味がないのだろうか?ロベルトにしたらこんな星空よりもっと煌めいている星達を小さい頃見ていたのだろうし、夜景は、その中に居る方が楽しいのかもしれない。
「ロベルトは、暗闇が嫌い?」
「…言わせないで下さい」
「じゃあ、ギルカタールは嫌い?」
「…ギルカタールより、俺はアイリーンが好きです」
私は星々を見つめるように上を向いた。私につられるようにロベルトも上を向く。
「夜は、星々が私達を見守ってくれてるのよ。きっと、ギルカタールの女神も、あんたを守ってくれる」
その言葉にロベルトの私を抱きしめる腕の力が抜けた。私は火照る頬を隠すようにロベルトの腕から抜け出す。
そして外より幾分暗い部屋に入ってロベルトに笑いかけた。
「なんて、あんたの好きなメルヘンでしょう?」
きっとロベルトから私はの顔は見えないけど、私にはロベルトの複雑そうな顔が見える。
「…俺、やっぱり暗闇は嫌いです」
やはり駄目だったかと私が若干落胆すると、ロベルトが私の傍まで来て、私の顔を覗き込んだ。
「あんたの顔が、よく見えないから」
そう言うとロベルトは私の腕を引っ張ってベッドに連れ込んだ。
「善処しますよ、あんたが好きなものなら、俺だって好きになれそうだから」
暗闇でも、夜目の訓練を受けている私はロベルトの顔が見える。そんな私を知っているからロベルトは私を自分の胸に閉じ込めた。
「随分冷えちゃいましたね」
そう言って私を抱きしめるロベルトに、私は胸にすり寄る。
「…あたためてくれるんでしょう?」
「仰せのままに、プリンセス」
ねぇロベルト、きっと夜はあんたにうんと優しい筈よ。だから、嫌わないで?あんたが好きになってくれるなら、私をいくらでもあげるから。恐怖心より勝る愛情をあんたにあげるから…
(真夜中と私を、愛して)
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ヘタレロベルトにグッジョブと叫んだのは私です。
すみません。
相互記念にいただきました。
素晴らしきロベアイでございます。
こちら、Blue oasisさんより相互記念小説としていただいてまいりました。
気になった方はぜひ、リンクからお飛びくださいませ〜。
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