BL部屋
やっぱり君が《高緑》
また男装。女体化注意!!
「真ちゃーん!!」
「その呼び方はやめるのだよ」
俺の恋人はツンデレーションな男子バスケ部エースの、女の子。
俺の恋人は緑間真太郎。それが本当かどうかはよく分からないけど、そんなことはどうでもいいんだ。
俺が彼女を愛してて、分かりにくいけど彼女も俺を愛してる。それだけで十分だった。
彼女が男装した女の子だと分かったのは、本当に偶然。日直で遅れて部室に入った俺に気付かなかった真ちゃんが、堂々とさらしを直したせいだった。
その時は退学する覚悟を決めたらしいが、俺は協力してやると言った。だって楽しそうだし、惚れるなんて思わなかったんだ。
それからまぁ、色々あって、俺頑張って、彼女を落とした訳だ。いや、大変だった。
「真ちゃん、一緒に帰ろー」
「方向が一緒なのだ、仕方ないな」
ほらね、ツンデレ。それでも負けない、頑張れ俺!!
「よっしゃ、放課後デート!!」
一人でガッツポーズを決めていると、遠慮がちに主将に声をかけられた。
「高尾…人の好みに口を出す気はないが、少しおおっぴら過ぎじゃないか…??」
「げ、主将…」
「勘違いしないで下さい。少なくとも俺には、そんな趣味はありません」
「俺だってねぇよ!!」
ホントは皆に自慢して回りたい位の彼女なのに、この関係は絶対に秘密。
ホモの疑いをかけられても、ごまかすしかないのだ。
「いや、いいんだ。先輩が騒ぐ事ではなかったな…その、あー、仲良く、な??」
「ちょ、主将────ッ!?」
足早に去っていく主将。疑いは晴れてないのか!!ただでさえ堅物の主将にホモ(に見える関係)はキツいだろうに。
「何をしている、高尾!!帰るのだろう??」
「あーうん、行こうか」
そんな思いをかかえながらも真ちゃんより優先するようなものなどないので、床に置いていた鞄を担いで歩き出した。
「真ちゃん、ちょっと公園寄っていかない??」
「…少しだぞ」
「やりぃ」
暗い道を二人で歩く。手を繋ぐでも、寄り添うでもなく。
それでも、よかった。
しばらくすると公園が見えたので、何とはなしに誘ってみた。暗い上に人気が無く、真ちゃんも気が緩んだのだろう。いつもの高飛車でツンデレな言葉で了承してくれた。
「うーわ、暗ッ」
「何を言っているのだ、学校を出た時からずっと暗いだろう」
「そうじゃなくてさ。街灯とか無いとホントに夜って暗いんだなーと思って」
フラフラと公園を歩きながら、慣れてきた目でベンチを探す。
が、ふと見えた真ちゃんの横顔に、一瞬目を奪われた。
闇に浮かぶ程の白い肌。誰にも触れさせた事などないのだろう。今は闇と制服の黒に覆われる細い身体も、これほどに白いのだろうか。
どうしようもなく、手に入れたくなった。
「高尾、ベンチを探してるならそこにあったぞ」
真ちゃんが指差す方を見れば、確かに三人掛けのベンチ。
だが俺は聞こえないふりをして歩き続けた。
「高尾、おい、高尾!!どうしたのだ、聞こえてい「名前」…は??」
「名前呼んで。そしたら返事してアゲル」
少し細くてタレ気味の綺麗な目を見開いた後、真ちゃんが渋々口を開いた。
「……か、ずな、り。ベンチ、見つけたぞ」
「そうだね、真ちゃん。座ろうか」
「ああ…」
俺が座った横に、一人分程のスペースを開けて真ちゃんが座った。
「…なんでそっちに座るの」
「別に、他意はないのだよ」
目線さえこちらに寄越さず興味なさそうにいってのける彼女に、俺の中で何かが弾けた。
いきなり立ち上がり彼女の手首を捕まえると、今まで俺が座っていた位置に強引に押し倒す。
え…?と驚いて俺を見るその顔に、無理矢理口付けた。
「!?…ッん、は、うむぅ…!!」
今起きている事に着いていけていないその口は、ただ苦しそうに息を詰める。
その目はまだ大きく開いていて、うっすらと涙さえ浮かんだそれを真っすぐに見つめながら、彼女の唇を犯した。
しばらくそうしていると、今まで無抵抗だった真ちゃんの腕が急に暴れだした。目からはぽろぽろと雫が落ちている。
息、やばいのかな…。
流石に殺す気は無かったので、顔を離して彼女の上からどく。
「真ちゃん、いつまで寝てるの??起きなよ、みっともない」
口を拭いながら、未だにベンチに身を預けている真ちゃんを見下ろした。
信じられない、というような彼女の目は、次々と浮かぶ涙で揺れている。
俺自身、真ちゃんをこんなに酷く扱えるなんて予想外だった。
「たか、お…??どうしたのだ……」
「俺はあんたを愛してるし、あんたもそうだと信じてる。でもそれだけじゃもう不満なんだよね」
求めてよ、俺を。コトバで、カラダで。
そう言ってまた、自分でも驚くような冷たい目で彼女を見つめた。
「高尾…やめろ、やめてくれ。その目は、好きじゃない…」
ボロボロ泣きながら訴えてくる真ちゃん。普通キスで息が出来なかったくらいでここまで泣くだろうかと考えて…気付いた。
俺が、怖いのか…。
プライドなんてそりゃもうエベレスト級の真ちゃんが、絶えず涙を零すほどに。
「好きだ、愛してる…!!だから、もうやめて、今日のお前は怖い…」
普段は絶対言えないことも、必死で叫んでしまうほどに。
我に返ってみれば、とたんに沸くのは罪悪感。
俺は何をしてんだよ…!!
真ちゃんの腕を今度は優しく掴み、髪を撫でた。
「真ちゃん、起きられる…??」
俺の目が変わったことに気付いたのか、彼女はゆっくり首を縦に振った。
それを確認してから腕と背中に手を回し、真ちゃんの上体を起こす。腕の細さ、身体の薄さに震えがきた。
こんなか弱いモノを、俺は壊そうとしてたのか。
「ごめん、真ちゃん、ごめん…」
今更そんな謝罪で許される訳じゃないけど、俺は彼女のすぐ隣に座って優しく抱きしめた。
涙は止まっても小刻みに震える身体は、黙って俺のシャツを握っていた。
「ごめんね、ごめん…」
「も、いい、今のお前は怖くない」
しばらく抱きしめながら謝っていると、ようやく顔をあげた愛しい彼女。相変わらず涙でボロボロだが、それでも美しいと思った。
「許して、くれるの…??」
「許すとか、ない。求めてくれて、嬉しいから」
嬉しいって、あれだけ泣いといてよく言うよ。でもそれが、君の愛情表現なのかもしれないな。
「うん、ありがとう…」
俺は時間を忘れて彼女を抱きしめ続けた。
「真ちゃん!!一緒に帰ろうぜ??」
「あ、あぁ、えーと…」
「何、どうかしたの??」
「あのな、その…俺も、お前と、帰りたい、からな」
え。
これは夢か何かだろうか。それともドッキリ??
凄くありきたりな事を考えたが、彼女の頬の朱さに現実へと引き戻された。
「よ、よし、か、える、か…!!」
「あぁ…」
端から見れば、男二人が顔を朱くしてちょっと異様な光景。だが今の俺達は誰よりも幸せで、そんなことを気にする暇はなかった。
(他のどんな女より、)(やっぱり君が1番だよ!!)
*****
ライカ様リク《高緑でちょい鬼畜》でした。
いや、無理!!私に鬼畜とか、無理!!!
またやってしまった女体化。
高尾が思ったよりヘタレになりました。きっと私が可愛い高尾が好きだからです。高緑高くらいが好きです!!
ライカ様のみ、お持ち帰り可です。
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