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凵`(゜Д゜)

 空の柱、頂上の間。ヒガナの姿は既にそこから消えている。宇宙から舞い戻ってきたスミレを出迎えたのは、彼女が連れていたゴニョニョのみだった。
 ゴニョニョが守る荷物袋の中には一通の手紙と、今までヒガナが回収してきたキーストーンが多く詰まっている。ゴニョニョはスミレが荷物袋を手にとったことを確かめると、小走りにその場を立ち去ろうとした。
 しかし、そうは問屋が卸さない。一度のキックを合図にスミレの影がぐるりと蠢き、影の帯が地を這ってゴニョニョの足を絡めとった。ゴニョニョの両脇から腕を入れて羽交い締めにしたゲンガーは、マーマーと泣くゴニョニョの甲高い鳴き声に渋面を作り出した。
 ヒガナが用意した青い宇宙服を脱ぎながら、スミレは短い文面だけ記された手紙へ目を通す。彼女は一度ポケナビをチェックして、荷物の中から紙とペンを取り出すと何事かさらさらと書き始めた。後ろでとぐろを巻いたレックウザが大きなあくびをひとつこぼして、テレパシーでスミレの頭の中に直接話しかける。
『俺ァ帰るぞ』
「もうちょっとだけ付き合ってください、今帰られると非常に困ります」
 少し慌てたように紙を折りたたんだスミレは無造作にそれをキーストーンの入った荷物袋の中へ放り込み、口を結んでゴニョニョの片腕にくくりつけた。ようやくゲンガーから解放されたゴニョニョは困ったように荷物袋をスミレに差し出す。ヒガナから、キーストーンをスミレへ渡すよう言付かっているのだろう。スミレは首を横に振って、ゴニョニョに視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「荷物袋と手紙をヒガナさんへ届けてください。お願いしますね」
 ごしごしとゴニョニョの頭をなでて、丸い桃色の背中を叩く。その手首にキーストーンは填められていなかった。ゴニョニョを見送ったスミレは改めてホウエンの守り神、翡翠色の歌姫――レックウザに向き直る。
「まっこと恐縮ですが、地上まで降りてきたついでにミナモシティまで送っていただけませんか。飛行船の乗船時間まであと二時間しかないんです」
『ふっざけんな、テメェで行けよ! 老体こき使ってんじゃねェ!』
「タユゲテーの飛行速度じゃ間に合わないですよ! チケット取っちゃったし、本来ならこんな隕石騒動で時間喰うはずじゃなかったんです!」
 挨拶回りもロクにできてないんですよもう、とぶつくさふてくされるスミレは、今しがたレックウザとともに隕石を砕いてきたとは思えないほどのマイペースっぷりだ。両手を打ち合わせてレックウザに対し低く頭を下げるが、態度とは裏腹に内容は横暴だ。
「そこをなんとか、歌姫様のお力添えを」
『お前、やっぱクズ鉄の欠片を引き当てるだけあるわ。俺を足に使うとか根性ひん曲がってやがる』
「お褒めに預かり光栄です、プリンセス」
 罵倒を交わしながらスミレはレックウザの差し出した腕に足をかける。影の中に戻ったゲンガーを含め忘れ物がないことを確認する。恐らく、この場でやり残したことはない。スミレのハンドサインを合図に、翡翠色の彗星はミナモシティへ向けて飛翔した。



「シガナ、お帰り……ってありゃ、もしかしてスミレに会えなかった?」
 荷物袋を引きずって戻ってきたゴニョニョの姿に、ヒガナは膝を折って彼女を迎え入れた。ゴニョニョの丸い体には大きすぎる荷物袋を受け取り、優しく頭を撫でて労ってやる。喉の奥から甘い声を出すゴニョニョを片手で撫で回しながら、ヒガナは空いたもう片方の手で荷物袋の口を開いた。
 中にはやはり大量のキーストーンと、見慣れぬ紙切れが一枚。ヒガナはゴニョニョに一通の手紙を託したがそれとは異なるようだ。二つ折りにされただけのそれを開く。ヒガナの手紙と似たり寄ったりの短さの走り書きを追うヒガナは、突然くつくつと肩を揺らして笑い始めた。ゴニョニョが不思議そうにヒガナを見上げる。
「いやあ、わたしたちの救世主は手厳しいよ、まったく」
 尚も笑い続けるヒガナの手から紙切れが滑り落ちる。残念ながらゴニョニョに人間が記す文字を読み解くことは出来なかったが、そこには以下のように綴られていた。
 ――もうすぐ飛行船が出航してしまうのでこの荷物は預かれません。ご自分で返却して回ってください。
 到底手紙とは呼べないメモの片隅には、シンオウ地方ナギサシティのある住所が書き添えてある。トクサネ宇宙センターでスミレが投げ渡したメガバングルは荷物袋に入ったままだ。
「シンオウまで返しに来いってさ。英雄様の頼みとあらば無視するわけにもいかないんだけど、いやはや横暴だね〜。ヒトのこと言えないよ」
 ヒガナは拾い上げたメモをショートパンツのポケットにねじ込み、荷物袋を手に立ち上がった。おいで、シガナ。いつもの呼び声にゴニョニョが続く。青空の下でモンスターボールが舞い、ボーマンダの勇ましい咆哮が轟いた。



******



・アクア団アジトはヒガナの強襲で情報が錯綜し大混乱に陥っている模様。あちこちでヒガナの仲間と間違えられて襲われる。違うだろ、私は君たちアクア団のボスと敵対してたんだ! 顔くらい覚えとけ!

・顔を覚えられてても結局バトルをふっかけられる模様

・潜水艦停泊所まで行くと「こっちはハズレだ」と優しく教えてくれるアクア団下っ端。アッハイ、引き返します

・到着には一歩遅く、主人公が駆けつけた頃には既にアオギリが負けた後。さすがわたしの娘、と言うからにはシガナも戦闘に参加したのだろう。この台詞もただの意味深に見せるための中身の無い台詞なのか、タマゴあるいは幼少期から育てたが故の娘なのか、それともガチで娘なのか現段階では判断に苦しむ

・何者にもなれないお前たちに告げる!

・そういえばこの子、誰かの質問に対して質問で返してばかりだな。そのくせ自分の主張は押し付けるときた。どうにも会話をしている気分にならない

・隠れてたのがバレテーラ

・アオギリからキーストーンを力づくでぶんどり、主人公を空の柱へ誘うヒガナ。ようやく自分の目的の一端を口にしたな。それにしても怪力である

・本人がいないところでもダイゴをディスっていくスタイル

・アオギリから魂の証明、サメハダナイトを譲り受ける。サメハダー手持ちに入れてたら結構熱い場面だった

・トクサネ宇宙センターに舞い戻って空の柱について尋ねる。空の柱には封印が施されていて、流星の民かルネの民にしか開けられないのだそうだ。目覚めの祠の守り人と流星の民はまた別物なのか。というか封印って。物理的なものなの? それとも我が血の盟約において開放する、みたいなファンタジー系なの?

・AZの樹の前で現存するルネの民であるミクリと合流する主人公。懐かしい響きだグロリアス

・空の柱はレックウザを呼び出すための祭壇か。リメイク前は宿り木みたいな場所だったんだっけ?

・空の柱前で再合流。残念ながら封印解除するシーンを見ることは叶わず。ミクリさん仕事早すぎである

・空の柱に立ち入る前に、門番であるルネの民として一勝負。Emのチャンピオンのときと同じ面子かな?

・ミクリがチャンピオンにならない分「春風のように〜」をここで使うのか。ちょっと懐かしい

・ヒガナに追いついた! 流星の民に語り継がれる伝承を話してくれる、のはいいんだが小分けにしないで一回でまとめてくれ

・要約すると二千年前に隕石が降ってきて流星の民大打撃(このとき流星の滝ができた?)膨大な自然エネルギーを巡って小競り合いをするグラカイをレックウザが鎮めた。千年前に隕石の飛来がきっかけで地下に眠っていた自然エネルギーが露呈し、またグラカイが暴れだしたのをレックウザが鎮めた、このときにルネが出来たと。この二回目の隕石が現代でいうところのキーストーンで、レックウザがメガシンカしたとな

・伝承の中に唐突に出てくるキーストーンという場違いにも思える単語は、主人公にわかりやすく伝えるためにヒガナが現代の言葉に置き換えたものなんだろうか

・えーここでAZにゃん参戦するの? スターシステムってやつ?

・最後まで聞いたけど、ウーン……二度ある事は三度あるってことか。まあそれは自分たちの世界を守るためだからいいとして、ヒガナの主張する平行世界云々がどこから出てきたのかがまったくわからん。平行世界の存在自体はまた別の話ってこと?

・そうしてやってきた最上階。エピソードデルタOPの場所だ。うーん空気が薄そうだがポケモン世界の住人はこの程度ではへこたれない

・唐突にシシコ座流星群がどうたら、とシガナへ語りだすヒガナ。ここでヒガナが呼ぶシガナはゴニョニョのことではないようだ。口ぶりからしてこの世にいないか、それこそ平行世界に飛ばされてしまったのかもしれん。まーた解決しそうもない謎の伏線投入してもー

・辛いときは涙が零れないように夜空を見上げていたらしい。君もそんなことない? と聞かれたので素直にいいえと答えておく。ここは空気を読めよ、と苦笑されるがドデカいブーメランが後頭部に突き刺さってるよ、お嬢さん

・一度場面がフェードアウトしたとはいえ、おはよう、ってそんな長い間待ちぼうけ食らってたの主人公。タイムリミットまで一晩、これを長いと取るか短いと取るか

・しんみりタイムは終了。ヒガナがなむなむお祈りしてレックウザを呼び出す

・ヒガナがキーストーンをかき集めていたのはキーストーン一つじゃレックウザのメガシンカのパワーに耐えられないから、のようなのだが、それこそ敵を作るような集め方はせずに最初から事情を話せばいいだろうに。時間がないというのは散々作中で言われてきたが、それでも主人公を介すれば平和的解決も臨めたはずでは

・焦っていたが故の強攻策と取れなくもないが、ヒガナは流星の民としての意識が足りない……自分の持ってる知識や常識という武器を手に丸腰の一般人と対峙しているようなものなのだから、そのあたりを共有するという発想さえあればもう少しまともな交流ができただろうに。ある種の選民思想なのだろうか

・あー、ただの石ころじゃなくて、ポケモンと人間の絆のエネルギー(≒ムゲンダイエネルギー)が蓄積したキーストーンじゃないとダメなのか、もしかして

・大気圏から降りてきたレックウザがぴゃーぴゃー鳴いているが、一向にメガシンカする気配がない

・「メガシンカしなさいよ!」って、レックウザは君のところの神様じゃあなかったのかい

・過去二回の鎮圧ですっかり力を使い果たしてしまったらしいおじいちゃんレックウザ。そんな、じゃないよ。隕石どうすんのさ

・ソライシ博士に返しそびれた隕石が唐突に存在感を放つ。おじいちゃんにポケパルレ活性剤代わりの隕石を与えてメガシンカするまでのエネルギーを回復したようだ

・いきなり食事中に呼び出された挙句、メガシンカを強要して罵倒してくるような娘っ子よりはおやつくれた方につくよなあ……

・シナリオ中で強制捕獲させるなら捕獲率上げてくれよゲーフリ。強制捕獲ならレシゼクくらいヌルくても罰は当たらん

・強制捕獲の次は強制加入かい。すまないドクケイル、ちょっとボックスでお留守番していてくれ

・あんだけ乱暴な手段に出ていたにも関わらずレックウザをあっさり諦めるヒガナ。彼女の優先度としては伝承通りに隕石を止める>レックウザなのかな。そうするとますますあの平行世界論に説明がほしいところだ

・再びヒガナがなむなむしてガリョウテンセイなる新技を教わる。ついでにメガシンカの手慣らしも流星の民の仕事らしい。アフターサービスも万全だな

・いやあ、ヒガナ戦BGM格好いいな! 設定と持ち曲はいいのに脚本で死んでるってますますミストさんじゃねーか!

・ガリョウテンセイは飛行版インファイトか。萌葱色の彗星エフェクトが格好良いなあ

・まあドラゴン技で一掃しますよね

・エッ私も宇宙行くの聞いてない

・まさかアクアスーツに二度目の活躍の機会が与えられると思ってはいなかった

・レックウザの背に乗って隕石を破壊に行く主人公。これ主人公いらなくない?

・レックウザが何らかの防御フィールドを張ってくれていると信じているぞ! スーツ一枚じゃマジで炭になりかねん

・主人公乗せたまま隕石に突っ込むぐう畜レックウザさん

・レックウザくらいの質量で砕けるんならワープホールなんて作らなくても本当にミサイル兵器とかでよかったんじゃないか?

・隕石の中から△様が現れる。後ろからニョロニョロ出てくるデオキシリボ核酸

・このデオキシス戦BGMをバックに怪しい影→急接近の流れ格好いいな! ORASは本当に素敵な演出が多くて嬉しい

・アッしゅんころ

・デオキシスが紙とはいえあまりにもHPゲージの減りが早かったぞ今。後で厳選できるみたいでよかった

・実は先行してサントラでデオキシス戦聞いちゃったんですが、原曲よりも阿波踊り成分が控えめになってちょっとさみしい。しかしORASもアレンジに外れがない

・地上に戻ってきたがヒガナの姿はない。代わりにシガナから手紙を託される

・わけがわからないよ(困惑)

・(゜Д゜)な心境のままED入る流れだけどいやいやいや

・BWのEDもあんぐり口開けたままED見てたけど、エピソードデルタはその非じゃないっていうか投げっぱなしジャーマンにも程があるぞ……! 続編前提だとしても伏せ札多すぎてせっかく集めた新規・出戻りユーザー手放しかねんのでは

・Nはキャラ的に謝っちゃダメだし謝ってほしいとも思わなかったけど、ヒガナは空の柱に戻ってきたときになんか一言欲しかった

・本当に事態を引っ掻き回しただけだったねヒガナさん

・男臭いアクア団幹部室。今回のウシオの暴走はアオギリが事前に説明しておけば防げたかもしれないが、それでも自分の非を認めるウシオは偉い

・結局ミツルのキーストーンは主人公が返却した模様。この調子だと強奪されたキーストーン全部主人公が返却に回ってたんだろうなあ。散々振り回されてきた挙句に尻拭いさせられるのか……

・ヒガナが労われるのがなんか納得いかん。ヒガナ側も何らかの重荷やら使命やら色々あったのだろうことは流星の滝のばーちゃんから察せられるが、そのあたりをユーザーに丸投げしないでちゃんと描写してくれないとヒガナが宙ぶらりんのキャラになっちゃうだろうよ

・今回の事件を通して見聞を広めたいと強く感じたらしいダイゴ。マジで大人だな君……何かあったら頼むね、とミクリにチャンピオンの座を丸投げしていくスタイル。やっぱりエメラルドリメイク出るのかなあ。バトルフロンティアないみたいだし

・ようやく落ち着いてお隣さんとデートができる。しかし2キャラ分空いたような空間がちょっとさみしい。主人公が図らずも再び世界を救ったことに対して、自分が何もできなかった無力さと後ろめたさにちょっと距離を空けているのだとしたらおいしい

・そんなこんなでエピソードデルタ終了。プレイ前は冷静にレポートしようと思ってましたが、作中の人物と同じく私も大分ヒガナに振り回されてしまいました。方向性はともかく、確かに話題性の高いキャラではあった

・ヒガナ周辺の背景、行動原理含め全体的に描写不足が目立つ印象。容量の関係でこれ以上シナリオを長くできないのであれば無理に入れないほうが良かったのでは、とさえ思う。これがエメラルドリメイクのための布石だとしてもちょっとお粗末じゃなかろうか。こんなに穴だらけのシナリオで喜ぶのは考察屋と創作屋だけでは?(大喜び勢)

・エピソードデルタだけで使い捨てされるには非常に惜しいキャラなので、ヒガナには次回作以降で汚名返上してほしいところ。あと彼女の言動は創作屋として反面教師というか、身につまされるところも多いのでこれからのキャラ造形に気をつけていこうとも思う

・あー、ヒガナが過剰なまでにダイゴをディスってたのは、カロス大量破壊兵器のテクノロジーを利用して会社を大きくしたデボンコーポレーションの血縁だからか! 確かにバブル期のデボンはちょっとクロっぽいところあるけど、現在まで同じ手法で許されるほど甘くなかろうよ、というかダイゴやツワブキ社長がそんな人間だったと思いたくないというか

・ついにORASプレイ記も残すところ一回となりました。とりあえずリゾートエリアのイベントを拾って終わろうと考えています

・手持ち紹介はほとんど変動していないので省略


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あきゅろす。
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