開封〜図鑑入手 「幽霊娘、そろそろ免許更新の時期じゃないのか」 勤め先の上司にそう言われ、トレーナーカードを確認してみれば更新期日がすっかり切れていた。月に一度カードを見るか見ないか、といったものぐさ生活が祟り、確認を怠っていたツケにさあっと顔が青くなる。後ろからスミレのトレーナーカードを覗きこんだデンジは、あーあーと子どものように彼女を囃したてた。 「どうすんだ。それ取ったときみたいな〈特例〉はもう利かねーぞ」 「わ、わかってますよ」 滅多に使わないトレーナーカードとはいえ、更新しない訳にはいかない。スミレの家にはポケモンが六体、彼らを社会的に守るためにはトレーナーとしての登録が必須なのだ。 しかし、更新期日の切れたトレーナーカードを再発行するにはいくつか手順を踏まなければならない。 ポケモン協会斡旋のユニバーシティ、またはハイスクールで指定の講義を受講すること。一ヶ月以上の長期遠征に従事し、レポートを提出すること。そして、再発行のトレーナーのみに課せられる課題がジムバッジの取得である。 このように、トレーナーカードの再発行には時間とある程度の技術が必要になる。ポケモンを扱う業種は数あれど、定職に就くとまとまった時間を取ることはなかなか難しい。免許更新にかかる一時間程度の手間は、これにくらべれば可愛いものである。 「休職……」 「だな。席は空けといてやるからさっさと帰って来い」 「ごめいわくをおかけします……」 ただでさえ小柄なスミレが、申し訳なさでみるみる縮んでいく。弱々しい声がいっそう哀れさを誘うが、元はといえば自業自得である。 ホウエンで知り合った知人、ライチから連絡があったのは、補講の受講があと少しで終わる頃だった。そろそろ旅の準備を始めねばなるまい、と考えていた矢先のことだ。 「風の噂で聞いたんだけど、トレーナーカードの更新忘れたって本当?」 「馬鹿なことしたって重々承知してるからあんまり突つかないで……」 「ごめん、そんなつもりじゃ! で、でね! ちょっとした提案があるんだけど」 ライチの提案とは、一ヶ月の長期遠征をホウエン地方でこなさないか、とのことだった。彼は、以前にスミレがホウエン地方を死に体で駆けずり回ったことを気にしているらしかった。 「結局あの騒ぎの後、仕事があるからって一度も長期滞在してないだろ。もっとホウエンのいいところ、いっぱい知ってほしいからさ。それにシンオウはもう随分寒くなってるだろうし、いい避寒だと思って」 逆を言えばスミレが戻ってきた頃には極寒のまっただ中なのだが、南国出身のライチにはその辺りまでは考えが及んでいないようだ。地元を回ろうとしていたスミレだったが、しかし彼の提案も魅力的だった。何より、数少ない良識人であるライチの好意を無碍にもできない。 「そうだね、考えてみるよ」 翌日、ウメギ宅に電話が入った。 「スミレちゃん、ホウエンに来るの!?」 御曹司が金に物を言わせて外堀をガンガン掘り始めた。決まったわけじゃない、と受話器を置いた。 翌々日、ウメギ宅に電話が入った。 「ホウエン行くなら図鑑持ってってよ。スミレもオダマキ博士と知り合いだったよね? 機材とかポケモンとか手配してもらうように連絡入れておくね」 ピッピ狂いの研究者が外堀に水を引いた。でも家のことが、と弱々しく受話器を置いた。 その更に翌日、旅に出ていたはずの居候が珍しく帰ってきた。 「僕が留守番するわ。土産、楽しみにしとる」 居候に城門どころか寝室の鍵まで掌握されていた。スミレ城、無血開城待ったなしである。 そうしてウメギ スミレはいつぶりか、ホウエン地方の大地へ降り立ったのだ。 ****** ・ハルカが背中だけ見せて海を眺めるポスターね、あれ、すごくいい。ホウエンのイメージアートって、海も空も、他の地方よりもずっと開けてるんだよなあ。そんな開放感がホウエンらしい。 ・というわけで、待ちに待ったORAS発売! 当時に倣ってメインロムはASに。Sを最初にプレイしたせいか、どうもマグマ団=敵の敵(味方というにはやや怪しい)、アクア団=敵のイメージが強くてな ・作中劇でGBA時代の冒頭が、が! ・こんなかわいい♀主にスミレの名前をつけることが申し訳無く感じる ・やっぱりトラックに揺られてミシロタウンに到着。荷台から飛び出すと、空には飛行機雲が。お母さんに促されて二階のチェックへ ・♀主の待機モーションは屈伸。かわいいね ・時計は勝手に合わせてくれる模様。かがくの ちからって しびれるー! ・お隣さんのお家に挨拶に行く。いきなりお前呼びとはいい度胸だ ・ユウキの顔芸、というか表情豊かだなあ。XYからこんなだったっけ? 無邪気かわいい ・ユウキはカクカクした文字を書くようだ。几帳面な男の子っぽい。 ・研究所が研究所らしく進化している! 部屋の中央の生息分布マシンかっこいいなあ! ・私はこのゲームで、フィールドワークという言葉を初めて知ったのだった。そう考えると、大学でフィールドワーク重点な学問を専攻した身としてはちょっと感慨深い ・オダマキ博士、あの外見で綺麗な字を書くことが発覚 ・ポチエナからオダマキ博士を救出する。RS最初の相棒だったキモリで行くよ。このシリーズはキモリにもミズゴロウにもやけに愛着が強いので、たぶん何回も繰り返し遊んだのだろう、覚えてないけど。まだサブロムとか買ってない時代だったし、そういうことなのだろう。なおアチャモ ・おや、女の子だ! ・適当にわんこを追い払って博士を救出。コトキタウンを通って103番道路のユウキに挨拶をしに行きます ・体験版で謎の島から旅立っていったフレンドリィショップのお兄さんと遭遇。別の世界線の出来事なのでありがたく傷薬を頂戴する ・あしあとスケッチマンの足元にあしあとがある! ・忍び足なる存在を初めて知る。忍び足のモーションめちゃかわ ・何かと先輩振りたいお年ごろのユウキ。おう、こっちは十五年越しの大ベテランやで() ・ユウキ戦のBGMはエレキアレンジなアトモスフィア。後ろでギャリギャリ鳴ってて大分格好良くなってます ・そこまで危なげなく勝利。研究所まで引き返して図鑑とボールを受け取ります ・さあ、ここからが本格的な冒険の始まりだ! 正直、どんな手持ちで行くか全く決まってない! 【スミレ(♀)】 プレイ時間 0:37 捕獲/発見 1/5 パーティ ・マイア(キモリ♀) Lv.6 →プレアデス星団の七姉妹からマイアと命名。冷静な女の子です。まあ、長所が死んでるけどシナリオだしなんとかなるなる [*前へ][次へ#] |