それは、儚く(清寿)
神様お願いします
どうか、
どうか彼にもう一度だけ会わせて下さい―…
―…
土砂降りの雨の中立ち尽くす
(これは夢、)
目の前に広がる一面の赤
(大丈夫、)
地面に目を凝らすと、少し離れた先に血塗られた特刑の隊服
(きっと大丈夫、)
震える足を無理矢理動かして、彼の元へ
「清寿さんっ…」
(嫌、だ)
横たわった大きな彼の体を抱き起こす
「っ清寿さん!」
(信じたく、ない)
何度呼びかけても目を覚まさない、なんて
体が氷のように冷たい、なんて
(嘘よ、)
「起きてよ、」
(冗談だって言って、)
「ずっと一緒だって、約束してくれたじゃない」
「、お願いだからっ」
「声を聞かせてっ…清寿さん…」
(私を置いていかないで、)(さよならなんて信じたくない)
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