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手を繋いだままUNISON(一係)


「待て!撰華!!」
「待ちませんわ!!」

 今日も今日とて、一係は賑やかだ。

「今日も元気だねー二人とも」
「飽きないのかしら」
「仲良きことは美しいねぇ」
「美しいー?あれが?」
「どうみても小学生の昼休みよね」
「あっはっは」

 おいかけっこをしている撰華と宜野座を見ながら好き放題言っている面々に宜野座は苛立ちを募らせる。今、宜野座が彼女を追いかけているのは、来て早々彼女が彼の眼鏡をもぎ取り、逃げたからだ。全くもって意味がわからない。
 ていうか、高いヒールの靴をはいている癖にヒラリヒラリとすばしっこく逃げるのがムカツク。いつも潜罪犯を追いかけている癖でつい回りに目を向けたが、回りの人間は助けるどころか、遠巻きに眺めているだけだった。生暖かい目で見るのを ヤ メ ロ 。

「縢!そいつを取り押さえろ!」
「えー?潜罪犯じゃない一般市民に襲いかかったら俺のほうがエリミネーター行きになりそうなのでお断りっすわー」
「六合塚!」
「個人的にお断りします」
「(個人的?!)じょ、上司命令だ!」
「職権乱用っすよー」
「パワハラですね」
「伸元ぁー諦めろぉー」
「チッ」

 ドミネーターを使わずとも、こんな窃盗まがいなことをしているはずの撰華の色相がクリアなことは、一係の面々は全員知っている。過去、犯罪まがいなことをしている撰華に遭遇する度、というか狡噛にアタックしに現れる度(つまりほぼ毎日)、彼女に宜野座(だけ)がドミネーターを向けてきたのだが、ことごとくトリガーはロックされた。もはや一係に彼女にドミネーターを向ける潜罪犯は一人もいない。

「慎也さん!パス!」

 今来たばかりなのだろう、のそのそと入ってきた狡噛に、撰華は内野手バリの華麗なスイングで眼鏡を放り投げる。

「ん?なんだ?」
「狡噛!そのままそれを返せ」
「返したらダメですわ!」

 急にもかかわらず、自分に向かって飛んできた眼鏡を事も無げに受け取った狡噛だったが、手持ち無沙汰に渡してきた撰華を見遣る。しかし、眼鏡に手を伸ばそうとする宜野座を押さえつけるのに必死な彼女の姿を見て、また所在なさげな眼鏡に視線を落とす。
 そのままそれを自らの顔にかける。狡噛なりのちょっとした悪戯心だった。

「どうだ?」

 狡噛が自分の顔を指差して聞いてみたが、取っ組み合いをしていた二人はその問いには答えず、絡まった状態ままその場に崩れ落ちた。

「どうした?似合わなかったか?」

 崩れ落ちた二人にテコテコと近付きしゃがみこむ狡噛。

「め・・・!」
「め?」

 顔を覗きこめば、発せられた意味のわからない単語に首を傾げる。









「眼鏡萌え・・・っ!」
「ああうん、なんかすまん」

 どうやら二人とも盛大にときめいただけのようだ。








手を繋いだままUNISON
(ちょっとまって、なんでそこでギノさんもときめくの?おかしくね?)
(ホモダチね)
(仲良きことは美しきだなぁ)









狡噛さんお誕生日おめでとうございます!(掲載日17/08/16)
狡噛さんにギノさんの眼鏡かけたらと妄想してときめいた管理人です。絶対似合うし、カッコいいと思う!おそらく、すでに世の中で出まくりでしょうけれども(笑)我が家のギノさんは愛されキャラですが、狡噛さんが大好きです。ツンデレにしたいのに常にデレてる不思議。←
仮タイトル『眼鏡萌え』(まんま)

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