ノブレス・オブリージュ(宜野座)
「人より恵まれた分、多くの人を守ることがわたくしの役目だと思っています」
自分にとっては当たり前なことに苦しんでいる人々を、楽にすることが彼女の義務だった。
「その為にも、より多くの知識、技能、力、そして経験を身に付ける必要があるのですわ」
「犯罪係数の高い人間と関われば、その影響を受けるんだぞ」
「そう、その為に潜在犯は隔離される。隔離しなくても、潜在犯の側にいても、人が人らしく、当たり前の生活を営むすべがきっとあるはずです」
「潜在犯との共生など不可能に決まっているだろう」
宜野座の言葉に「共生?」と彼女が不思議そうに首を傾げた。
「潜在犯とそうでないものに違いはありませんわ。それは社会的なものです」
そう言って彼女は幸せそうに笑った。
ノブレス・オブリージュ
(優れた者ほど真っ先に犠牲を払わなければならない。それこそが本当の名誉だ)
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