[携帯モード] [URL送信]
人はそれを犯罪という(狡噛)日記ログ



 ぴんぽん。という無機質な呼び出し音に狡噛は顔をあげる。彼に来客など、珍しいことだ。仕事関係で征陸か宜野座だろうと深く考えずにドアを開ける。

「ごきげんよう。慎也さん」

 ドアを開けてまずガクリと脱力した。直ぐ様閉めてしまいたかったが目の前の彼女はそれを許さないだろう。
 いつもの若者らしい服装とは違った黒のスーツに身を包んだ彼女は、大きく開いたシャツから魅惑的な胸元を惜し気もなくさらし、艶っぽく笑んだ。

「ちゃんと相手を確認してから開けたほうがよろしくてよ?男性といえど無用心ですわ」

 しみじみ次からそうしようと思う。相手が彼女だとわかっていれば、狡噛は居留守を使っていただろう。と、いうか。

「どうしてあんたがここにいる」

 何故彼女が自分を尋ねたのか、その理由には微塵も興味がなかったが、その経路は気になった。方法が方法なら彼は職業柄彼女を逮捕しなくてはならなくなる。
 何故なら狡噛曰く『ここ』とはすなわち、執行官の住まいだからだ。
 執行官は犯罪係数が規定値を越える被疑者を裁く権限を持つと同じに、彼ら自身も犯罪係数が高い『潜在犯』なのである。それ故、常に厳しい監視下に置かれ、警察官でありながら隔離施設に収容されている。『ここ』は、その収容所だ。一般人は入れないはず。

「いやですわね。愛しい人のもとを訪れるのに理由が必用でして?」

 満面の笑みを浮かべて言われた台詞に、そっちじゃない、と思うと同時にひどく頭が痛む。

「ここは執行官の施設だ。あんたみたいな一般人がこれるところじゃない」
「まぁ!まるでわたくしが不法侵入でもしたかのような言いぐさですわね!」

 とんでもない!と彼女は心外そうに少々大袈裟に肩を竦めてみせた。

「ここに忍び込んだ方法は内緒です(ハート)・・・と言いたいところですが」

 狡噛が無言で手錠を取り出したあたりで彼女は末尾を付け加えた。

「お父様の名前を出して「監査に来ました」と言ったら直ぐに通して下さいましたよ?」

 所轄の警備って意外とザルですわよね。あっけらかんと言う彼女に狡噛は頭痛が増すのを感じた。







人はそれを犯罪という
(机の中をあさっても誰も何も言わないからちょっとお菓子を失敬してきましたのよ。いかがです?ちなみに秀星さんのですけど)
(・・・なら食べる)














掲載日(12/10/01)














それだと共犯ですよーとツッコンでくれる人がいない件。
記念すべき初サイコパス夢でした。

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!