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おねだり上手な僕のワンコ(狡噛)



 ちらり、と視線をやる。彼女は気付かずに黙々と紙のページを捲っている。ふと、その片手がこちらへ伸ばされた。視線は相変わらず本に落としたままなので、どこか覚束なく、手探りで何かを探すようにふらふらと翳されたその手に、狡噛はつい少し屈んだ。


 あ。と、自分でも思った。


「ブフォッ!」
「わらうな」

 盛大に噴いた撰華にすかさずつっこんではみたが、覇気はない。無意識だったのだ。

「だ・・・だって」

 クククク、と引き付けみたいな笑いを噛み殺しきれぬ少女に、思わずムスッとしてしまう。
 気付いた撰華は「すみません」と声のトーンを落とすが、隠すつもりのない笑顔はそのままだ。

「自分から撫でられにくるとかカワイイですわねー」

 あ、は、は。少し間延びした調子で笑うのは彼女なりの優しさだろう。馬鹿にした風でも、呆れた風でもなく、本当に可愛がっているニュアンスを感じる。わしゃわしゃと自分から押し付けてしまった頭を撫でられながら少し凹んだ。









おねだり上手な僕のワンコ
(寂しがらないように構ってあげましょう)













本を読んでる途中でちょっと構って欲しくなった狡噛さんに気付いたヒロインさんが手だけで構ってあげようとしたら目測を誤って少し低い場所に手を伸ばしてしまい狡噛さんが手の直撃を避ける為に屈んだら自ら手のひらに頭を押し付けた形になっちゃったよカワウィーネーな話。(長ェ!)
自分から頭を押し付けてくる大型ワンコな狡噛さんきっと可愛いよ!(震え声)

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あきゅろす。
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