赤いマーメイド(征陸＋縢)
「コウの好みの下着の色？下着はどうか知らんがアイツは青色が好きだぞ」
意外なところからの助言に撰華が嬉しげに両手を合わせる。
「まぁ！おじさま何故ご存知なんです？」
「もしかしてコウちゃんとそんな関係なんじゃ･･･」
縢の質の悪い冷やかしに、撰華がまた嬉しげに悲鳴をあげる。何故嬉しげ。
「まぁ！おじさまが好敵手なら勝ち目がありませんわ！」
「オイオイ。なんでそうなる」
ご存知も何も、付き合いだけは長いからなぁ。サラリとかわす征陸はやっぱり素敵だと撰華は思う。
「潜在犯なんてやってると異性との出逢いなんてのぁほとんど皆無だからな。たまに街中にでるとつい通りすがりのカワイコちゃんに目移りするもんだ」
「慎也さんがそんなことを･･･」
「えー！でも俺が一緒に現場行ったときはコウちゃん全然女の子に興味なさそうにしてるよ？それこそ俺があの娘カワイくね？って聞いても「あぁそうだな」って生返事ばっか！おっちゃんと一緒のときだけコウちゃんノリが違うってこと？」
ちょっと拗ねてしまったらしい縢に征陸は苦笑する。
「俺と一緒のときだってそんな変わらねぇよ」
剥れる縢の頭に手をぽんと置きながら「観察力の違いって奴だな」という征陸の言葉に納得する。嬉々として道行く女性をウォッチングして興奮している狡噛など想像がつかない。
「まぁ俺も根拠はねぇから勘みたいなもんだがな」
「勘かよ！」
「おじさまの勘なら信憑性高いですし、とっかかりになりそうならなんでも構いません！」
「切羽詰まってるなぁお嬢」
「肉食女子ってヤツだよね〜撰華ちゃんって」
ぐいっと身を乗り出してメモ帳とペンを構える彼女はいつも前のめりだ。
「あーコウの場合、淡い色や無地のワンピースとかスカートの娘がいいみたいだな」
「清楚系が好きってこと？」
縢の要約に撰華が悲鳴をあげる。
「いやぁぁあ！わたくし、正反対ですわ！」
赤いマーメイド
（そんな彼女の、本日の御召し物）
「お嬢様、そんな悲観しなさんな。目移りするのは清楚系かもしれんが、あんたの服装にだってアイツの好みはあるぜ？」
「えー？例えば何ですの？」
「この間着てた白いジャケットに青のインナーとかな」
「あーあの女教師っぽいヤツねー」
「ますます傾向がわかりませんわ」
男ってのぁ複雑なのさ。
アニメの朱ちゃんの服装が好みってことは清楚とはちょっと違うかなと思いましたが雰囲気で読んでやって下さいませ。
でも狡噛さんはＭ男(断定)なのでコスプレなら学生服より女教師のほうが好きそうだなっていう(笑)
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