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寒冷前線(狡噛)
*『熱帯夜』の直後。



「すまん」

 涙を湛える彼女があまりにも不憫に思えて、ついほだされてしまった狡噛が言えば、撰華がキッと見上げて立ち上がる。手を引かれてついていけばそこは常守が寝ているのとは別のソファ。
 狡噛の部屋にベッドはない。二つある広めのソファをいつも寝台代わりにしている。今も、片方のソファを常守が使っているので、もう片方は撰華に使ってもらおうと、毛布や枕代わりのクッションなど、狡噛が思い付く限りのものを設えている。
 そのソファの目の前で立たされたかと思うと、強く肩を押されて強制的に座らされる。否を唱える前に彼女が足の間に座り込む。おいおい。

「許しません」

 下から睨み上げてくる目が据わっていることに少し背筋が寒くなる。
 しかし、撰華は側にあった毛布を狡噛の肩にかけるとそのまま前へと向き直った。垂れ下がった毛布の端と端を自分の前で掻き合わせると、首だけでこちらを振り返る。

「このまま朝までぎゅっとしてください。じゃないと、許しません」

 別の意味で背筋が凍った。









寒冷前線
(頑張れ俺の理性!)














 ちゃんとよしよししてくださいね?なんて追い撃ちをかけてくるこの女をどうしてくれようかと本気で思い悩む。













朱ちゃんのスーツ終了のお知らせ←
ヒロインも狡噛さんも共に恋愛スキル0なので、どうやらお互いの預かり知らぬところできゅんきゅんしてるみたいです。
因みに狡噛さんと朱ちゃんは次の日は非番、ヒロインは学校です。管理人なら激怒します←

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