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銀糸が紡ぐ意図(スクアーロ)






 ゆらゆら。ゆら。





「(じぃ〜・・・)」





 目の前で、天の川のような銀がヒラヒラと揺れる。
 そっと、それに手を添えれば絹のような手触り。



「痛゙ぁ!?」


 ついつい、衝動のままに引っ張ってみた。











「てめぇ!何しやがる!?」


 急に刺激された頭皮を押さえながら、スクアーロがドスの利いた声で叫ぶ。
 スクアーロが座っていたソファーの後ろを覗き込めば、背もたれの陰に隠れて小さな黒が己れの白銀を掴んでいた。


「スク、アーロさん」


 常人でさえ耳を塞いでしまいたくなる大音量にも、年端がゆかないはずの子供は怯えだ様子もなく、寧ろキラキラとした期待の目を剣帝と畏れられる男に向けた。


(な、なんだぁ゙?)


 羨望の籠った視線など、久しく受けていない(寧ろ哀れむような視線は多いという事実に腹が立つ)、スクアーロは後込みする。


「みつあみ、させて、ください」
「はぁあ゙?」



 三編み?



 まるでヒーローを見るかのような視線を湛えながら、言うにことかいて三編み?



 しかし、幼子の視線は熱く、本気なのだとわかる。スクアーロは思わずたじろいだ。



「え?なになに〜三編み?オレもやる〜」
「まぁあ!スクアーロの髪を三編み?あたしもやるわぁ〜ん♪」
「なんかたのしそうですねーミーも混ぜてくださーい」
「てめぇらぁ!どっから沸いてでたぁ!?」


 わらわら、と。餌を撒かれた猿のように次から次へと黒い集団が現れた。


「てめぇら離せ!誰が触ってもいいと言ったぁー!?」
「まーまースクアーロ。あんまりカリカリしてると髪によくないわよ」
「誰のせいだぁ!!」

「ミー、一度でいいから隊長の白髪いじってみたかったんですよねー」
「白髪じゃねぇ!銀!髪!だ!!」

「ししっ・・・あ、枝毛みっけ」
「切れぇ!!!」










(・・・でき、ました)
(あら〜?おチビちゃん上手ね〜♪)
(オレも出来たぜ〜)
(ミーも出来ましたー)
(・・・・・・ベル・・・フラン・・・それは何だ)
(くるくる縦ロール〜)
(もじゃもじゃパンチパーマー)

(せめて統一しろー!!)








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あきゅろす。
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