真実も方便(12雲雀生誕)日記ログ
「僕はその子供が好きじゃないよ」
「そうね。まだこの子は生まれてもいないものね」
まだ普段と変わらない腹を撫でながら、それでも彼女は慈しみ深い眼差しで呟いた。
「まだ生まれてもいないのだけれど、私はこの子がとても愛しいわ。生まれる前から愛してるの。それって変かしら?」
「さぁ?僕には理解できないけれど。変ではないんじゃない?」
世の中の常識など彼の知る所ではないが、雲雀は無知でもない。
「君がそう思うなら、そうなんだろう?」
雲雀の投げ遣りな応えこそが聞きたかった答えのように、彼女は幸せそうに破顔した。
真実も方便
(嘘も建前もいらない)
掲載日(12/05/05)
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