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69祭り残骸(3/5)拍手ログ





 彼女はいつも傍観者だった。良くも悪くも。

 巻き込まないように遠ざけたはずなのにいつの間にか彼女は常にそこにいた。
 彼女はいつも、確かに自分達を守ろうとするのだが、しかし戦う術を持たない彼女はいつも、何も出来なかった。
 そして、そんな彼女を傷つけようとする者達もまた、彼女にだけは、何も出来なかった。


「貴女は何故、僕に微笑みかけるのですか?」
「どうして?」
「貴女は僕が嫌いでしょう?」
「うん、嫌い」
「・・・・・・・・・」
「でもそれは君が私の大切な人を傷つけたからだわ。私は傷つけられていないし、ただ不愉快な思いをさせられただけよ」
「・・・・・・・・・」


 だけ、と言いながらものすごく悪いことをしたような気にさせられるのは骸の気のせいだろうか。




 けして彼女は力を持たなかった。下手をすれば自分よりもずっと弱い存在だ。
 それでも彼女は誰にも負けないし、屈伏されることは一度足りともなかった。
 どんなに強い破壊力を持った者にでさえ、彼女は強かった。

 心が。

 手折れることはなかった。

 誰であろうと、相手の心を挫く。
 彼女はそれが上手かった。










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あきゅろす。
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