降り頻る温もり(夢主+?)日記ログ
(+10)
幸せとはまさにこの瞬間のことかもしれない。
ただ漠然とそう思った。
一寸も身動きが取れず、手近に暇を潰せそうなものもなく、意識をもて余す。
唯一手元にある髪に指を差し入れ、手櫛のように頭を掻き撫でてみたが、それもすぐに飽きてしまい、仕方がないので何か考えようと思考を巡らせ、ふとぼんやり思ったのだ。
(幸せ、だなぁ)
何もない空間が、無音の時間が、これほどまでに胸を満たしたことがあっただろうか。
これが所謂、幸せ、の瞬間なのだろう。
別に今までに幸せを感じたことがないわけではない。
逆だ。むしろ今までずっと、ずっと、忙しない日常が愛しく、切ないほどに自分へ幸せをもたらしていた。
いつも誰かが叫んでいて、泣いていて、怒鳴っていて、怯えていて、苦しんでいて。そこにあるのはいい感情ばかりではなかったはずなのに。確かにそこには絶え間無い笑顔があった。
しかし、今この瞬間。彼女は一人だった。否、唯一の話し相手であった彼は人の腹に耳を当てたまま寝こけてしまっている。お腹の音を聞こうとして耳を当てたはいいが、途端に大人しくなった腹は一向にもうんともすんともいわず、痺れをきらした彼はそのまま寝入ってしまったのだ。
意外と指通りのいい髪に手を沈め、愛撫のように質感を楽しむ。うなじの辺りを少し強めに撫でれば、膝を陣取っている頭が若干身動ぎをした。それに小さく笑みを浮かべる。
変なものだ。と思う。意思を通わす人がいなければ孤独であることと変わらないはずなのに、すぐに触れることが出来るというだけでこんなにも違う。
降り頻る温もり
(それは一つの幸せの形)
久しぶりにリメDをプレイして、マリーとダリスのラブラブっぷりに全俺が嫉妬。
掲載日(10/12/22)
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