なぜ黒ではなく白なのか(20骸生誕)拍手ログ
壁も床も天井も、何故ここは真っ白なのか。疑問には思うが恐らく訊ねても彼女は答えないだろう。もちろん、彼女がこの記憶を後ろ暗く思っているからなのではなく、骸がそれほど彼女に興味をもっていないと知っているからだ。それくらいに、細やかな疑問だ。
「それにしても意外ですね」
「何が？」
「自我が強い貴女が、こんな深いところまで他人の侵入を許すなんて」
骸が初めてこの空間に辿り着いて思ったのはそれだ。彼女にしては、易々と入り込めた。認めたくないが、骸と彼女の相性がよかったというのもあるのだろうが。
「別に隠してるわけではないから」
わざわざ聞かせたいことでもないけれど。と彼女があっけらかんと言った。
「たぶん、知ってる人は知ってるんじゃないかしら」
リボーンちゃんとか雲雀くんとか。という彼女が挙げた黒い二人を思い浮かべ、成る程と思う。あの二人ならば、彼女の過去を知ったところで、そう影響は少ないだろう。
なぜ黒ではなく白なのか
（知る必要のないこと）
（掲載日20/06/09）
彼女の深淵にあるのは白い部屋です。
この理由を語れる日はいつかくるのかなぁ。
（21/06/09）
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