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至福の喜び(リボーン)



「すまなかった」


 いつも不遜な家庭教師の謝罪に揚羽は目を丸めた。


「どうしてリボーンちゃんが謝るの?」
「嫌な運命に巻き込んだ」
「私が巻き込まれたの?」


 それでも得心がいかないというように首を傾げる揚羽は、恐らくマフィアの騒動に関わらなければ、人並みの人生を歩めただろうとリボーンは思ってしまったのだ。
 揚羽はリボーンの珍しい小さな後悔を軽く微笑んで一蹴した。


「もしも巻き込まれたのだとしたら、私にとってはありがとうだよ」


 ずっと、遠ざけられていたことは知っていたし、リボーンにもそうはっきり言われていた。それを寂しく思い無理矢理関わろうとしたのは揚羽自身だという自覚がある。


「巻き込んでくれて、あの子の側にいさせてくれて、ありがとう」


 揚羽にとって、『あの子側にいない』という選択肢はなかった。だから巻き込んだのはむしろ自分のほうだと思う。


「それにほかにいくらでも候補はいたでしょうに私を選んでくれたのは何故?」


 わかってて、揚羽は問うた。リボーンは正直に口にするのは躊躇われた。しかし、彼女の望む答えは正直なそれ・・なのだ。


「お前がいちばん相応しいと思った」


 言えばやはり、揚羽は嬉しそうに笑う。


「だったら、やっぱり。私が貴方を巻き込んだのよ」


 必要だと思わせるものが自分にあったのだと、伝えられることは、揚羽にとって苦痛ではなく喜びだった。









(苦しさなんてない。だからそれは幸せ)













ぶっちゃけこの設定を入れるかどうか迷ったのですが、入れてしまったからにはいつか書きたいと思います。(意味不明)


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