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半分は優しさでできています。(夢主+?)日記ログ




「好きよ」


 彼女の告白は別段珍しくない。


「好き。好きなの、大好きなの」


 だが前触れなく、ひたすら告白が続くのは彼女が不安を感じているときだ。


「みんなみんな、大好きなのよ」


 どうやらかなりの重症らしい。

 誰に向かっているつもりなのか、窓の外の無数に輝く星を眺めている彼女の薄い色の頬を見詰めて思う。
 二人っきりのときは、結構強い自分の独占欲を刺激しないように気を遣ってか、自分への告白しかたいていしない。もちろん確認するまでもなく彼女が身内の全てに愛情があるのは知っているし咎めるつもりはない。ただ、普通は言わない。
 どうしたのか訊ねると彼女はごめんなさいと言って、へにゃりと力なく笑った。


「なんかねむしょうに言いたくなったの」


 それはわかる。そのむしょうに言いたくなるほどの不安を彼女に与えた原因を知りたいのだ。


「急に思ったの」


 何を?


「あと何回アナタに「好き」って言えるのかしら」


 それは彼女が漏らした珍しい弱音だった。
 常にどんな我が儘を言ったって、「もー」と文句を漏らしつつも、最後はいつも笑ってくれる。そんな柔軟な強さを持つ彼女からは想像できない姿だった。
 人間とは不思議な生き物で、ホルモンのバランスやら体調の状態で心が強くなったり弱くなったりする。それは月の満ち欠けのように定期的に必ず起こるものだ。
 ならば自分にできることはいつも自分の我が儘を受けとめるこの白くて細い腕を引き寄せることなのだろう。
 腕に大人しく収まっている姿に胸が暖かいもので満たされるのを感じる。
 何か言おうとして止めた。彼女のように気の利いたことを言える自信はない。だからせめて、腕の中の笑い声が嬉しそうな余裕を滲ませてきた頃、今日は外で食べようかと誘ってみる。












(ご飯を食べおわる頃にはまたけろりとしているのだ)









掲載日(12/09/22)







もう半分は独占欲でできています。


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あきゅろす。
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