novel
愛は砂糖でできている、か?
あぁ。
その光景を見たとき、あたしの目に思わず涙が滲んだ。
――変わり果てた、その姿。
あんなに好きだったのに。
大好きだったのに。
「あたしの、せいで……」
滲む涙を、こらえることはどうしてもできなかった。







「……何靴相手に一人で愁嘆場演じてんだ」
「パンプスって言ってくださいよぅ!隊長のバカ!隊長にはこの女心がわかんないんだわ!」
「いや、靴相手に女心とか言われてもな」
「お気に入りだったんですよぅ!なのに、なのに、こんな踵がすり減ってたなんてっ……!」

――なんのことはない。
お気に入りのパンプスの踵がすり減って修復不可能だと靴屋に言われた、らしい。
パンプス相手に延々と嘆く仕事をしない副官に、日番谷は深々とため息をついた。

「……気に入ってたからってそればっか履いてるからだろ。そりゃ靴も痛む。だいたい他にもいっぱい持ってんだろ」
「これだから女心がわかんないって言うんです隊長は!大切な人を一途に想い続ける女心がっ!」
「だから靴相手に女心とか言うな擬人化すんな!」
日番谷は頭を抱えた。さっきから一枚も書類が進んでない。

「隊長のいけず〜」
めそめそ泣いている(ふりをしている)乱菊に日番谷の眉間の皺はすでに限界までよっている。
「だあぁもううるせぇ!新しいの買ってやるから仕事をしろッ!」
「ホントですか!?」
今泣いたカラスがもう笑った(もともと本当に泣いてないが)。途端に乱菊は顔を輝かせて、勢いよく日番谷に抱きつく。

「たいちょー!ありがとうございます大好きです愛してます!!
「だーかーら離せ暑苦しい抱きつくな!」







(たいちょってば、ホントあたしに甘いんだから!)






Juzz Bug様よりお題使用

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あきゅろす。
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