購買乱闘
「畜生〜!!」
(02)
じゃんけんで負けたオイラは、購買という名の戦場に向かっていた。勿論カレーパンを買いに行くためだ。いや、狩いに逝くためだな、うん。カレーパンは毎週木曜に十個しかつくられないから、其処は戦場と化す訳だ。その場所で勝利を手に入れた者のみが、そのパンを口にすることを許されるんだぜ?なんか格好良くね?お…前歩いてくんのは?イタチか?(嫌な奴キタ)
「ああ、デイダラか」
「それはコッチのセリフだ、……って、うん?!」
「お前達が学校に来る理由などコレしか無いからな。狩っておいてやった」
イタチの持つ袋に入った4つのカレーパン。一つはオレが貰うと言って3つのカレーパンの入った袋をオイラに投げた (潰れるだろ!)
「…」
「礼の1つも無いのか」
たとえ万一在ったとしてもお前になんかくれてやんねェよ。うん
「それより、サソリと飛段を呼んできた方が良いんじゃないか?」
「なんで…」
「キャァァ!!」
「ッ!…」
キンキン耳に響く黄色い声。声の主は1年女子。スーパーモデルを見つけた時の騒ぎようだ。声のするほうを見ても特に変わったことは無い
「華蜘蛛様だ!!」
「カメラ!写真撮んなきゃ!!」
「こっち向いてー!!」
「…華蜘蛛様…だと?」
「見ろ…」
イタチが指差した場所には真っ黒なローブを纏って顔の見えない3人の女の姿。1人は金属バットを持っていていかにも悪そうって感じ。反対側にいる女は神秘的な雰囲気さえある。そして一番は真ん中だ。なにが一番って、殺気だ。3人とも顔は見れないが、感じ取らせるものは恐怖だけ
「なんだあれ…」
「華蜘蛛だァァ!初めて見たぜ! (やっべー) 」
「あ、旦那…飛段… (なにガッツポーズしてんだ)」
「カレーパンなら狩っておいたぞ」
「それどころじゃねェだろ…」
まだキャーキャー叫んでいる女子どもの間を歩き始める。そこに柵が在るのかの様に女子どもが退いていく。オイラ達も退いた方が良いのか?4人で固まっていればもう目の前に
「……」
「……」
おい、なんかめっちゃ睨んできてるよコイツ。つか目しか見えないとか恐ぇよ、うん
「退けよ」
フッ、声可愛いじゃねェか。だがそれだけではオイラ達には勝てないぞ?ほら、旦那すごい怒って…
え?
「……」
ちょっと待とうか、うん?旦那、なんでアンタ…
耳赤いんだァァァ!
(オイラ渾身のシャウト)
あ、イタチ笑ってる
「退け」
「…え?ああ…」
「退けって言ってんの、馬鹿」
「……イヤだね」
旦那ァァ!旦那の馬鹿ァァァん!!なんで意地張るの?!そこは退いとけ!や、可愛いけど!声可愛いけど止めとけェェ!
「退けって言ってんの。何度言ったら分かる訳?…朝から暴れたく無いんだよ」
「って言ってももう昼なんですけど」
「うるさい魅嗣…ウチこの男吹っ飛ばすわ。ゴメンよ」
「ええもう好きにしてください」
「悪く思うなよ」
そう言って右手を引いた華蜘蛛は口の右端 (多分) だけを上げて笑って、それでも伝わるのは恐怖だけで
「マジでか…」
旦那はそれだけ呟いて身構えた
「ウチは暴力すぎる暴力行使なんだと。魅嗣が言うには、な」
だからって殴るな!痛いんだぞ!!
「顔を見せてよ!華蜘蛛様!」
「もちつけ!旦那!」
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