初めまして(零鬼) 零鬼が遙香に会ったのは、生まれて家に戻ってきたときだ。そのとき6歳だった零鬼は、何となくといった感じで遙香と対面した。 「彰鬼みたい」 『赤ちゃんのときはね。でもこれからドンドン変わっていくのよ』 「狛璃のおとうと?」 「そうだよ。僕にもおとうとできたんだっ」 ニカッと笑う狛璃に、零鬼は自分も嬉しくなった。ずっと一緒にいて、6歳にして親友と呼べる仲になって、その人に弟が出来て。彰鬼のときみたいに嬉しくなった。 「なまえは?」 「遙香っていうんだ。女の子みたいだっていったら怒られちゃった」 「遙香ちゃん、オレは零鬼っていうんだ。よろしくな!」 「あー?あーぅ」 「彰鬼みたいだ」 でも彰鬼ではない。このときはまだ自覚を持てなかったが、成長するにつれて彰鬼に似た感覚を持っていることに気づく。 ああ、初めて会ったときから君は弟のような存在だったんだ…と。 「零鬼お兄ちゃんってよぶんだぞ!」 「ぅ?」 [次へ#] [戻る] |