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(まだ忘れられないんだな…)

(僕…にぃにって、呼んだ…)


 少しだけ気まずい空気が流れる。でも、だって、頭を撫でる手がとてもそっくりだったから。だからきっと間違えてしまったのかもしれない。

 それでも駿は気にするなというが、遙香はどうしても気にしてしまうらしい。帰り道、遙香の手は確実に意志を持って、駿の手へと絡められた。恐る恐る、でも離すことなく。


「……今日は何を食べに行こうか」

「先輩の好きなもの…食べたいです」

「じゃあ…そうだな、お寿司でも食べに行くか」

「はい、先輩っ」



(あのね、先輩……僕も先輩のこと、いっぱい知ってもっと近づきたいと思ってるんですよ…?)




END、

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