5 (まだ忘れられないんだな…) (僕…にぃにって、呼んだ…) 少しだけ気まずい空気が流れる。でも、だって、頭を撫でる手がとてもそっくりだったから。だからきっと間違えてしまったのかもしれない。 それでも駿は気にするなというが、遙香はどうしても気にしてしまうらしい。帰り道、遙香の手は確実に意志を持って、駿の手へと絡められた。恐る恐る、でも離すことなく。 「……今日は何を食べに行こうか」 「先輩の好きなもの…食べたいです」 「じゃあ…そうだな、お寿司でも食べに行くか」 「はい、先輩っ」 (あのね、先輩……僕も先輩のこと、いっぱい知ってもっと近づきたいと思ってるんですよ…?) END、 [*前へ] [戻る] |