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(駿先輩にメールしたら、迷惑かな…)

(幸ちゃん…でも…)

(にぃに、会いたいよぉ)


 色んな思いが渦巻いて、遙香の指は自然と動き出した。ぎこちなく動く指が、ついに送信ボタンを押す。

 そして返ってきた返事に、遙香は無意識のうちに微笑んでいた。



──コンコンッ


「……誰だ」

「あの…小鳥遊です」

「遙香か?ああ、入ってくれ。よく来てくれた」

「いえ、ご迷惑じゃ…?」

「そんなことない。だったら理樹を追い出したりしないさ」


 放課後、そう笑顔で遙香を迎え入れたのは駿だ。あのとき送ったメールは駿宛てで、一緒に夕飯を食べたいというものだった。悪いかとも思ったが、駿は嬉しくてたまらなかったのだ。

 だからこそ、こうして理樹や他の人を生徒会室から追い出してまで遙香を待っていたのだから。


「すまないな、もう少しだけかかりそうなんだ」

「あっ、僕…お手伝いしますよ?」

「だが…」

「いいんです、やらせて下さい。……先輩の役にたちたいんです」

「じゃあ…そうだな。コーヒーを、いれてくれるか?」

「はいっ」





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