2 「……涼にとって今年はどんな一年だったんだ?」 『え?んーっとね……甘い一年だった!』 「「……は?」」 『うぅ、だってみんなお菓子くれて、それが今出てきたの』 「お前…あんまもらうなよ」 「食いしん坊だなぁ涼は」 『いいもんっ、いっぱい食べて一兄ちゃんよりも大きくなるんだから』 ググッと背伸びをして頑張る涼に、一は優しく頭を撫でてあげた。一にとって、この一年は涼一色だったようだ。そしてまた十夜もライバルにげんなりしつつ、何だかんだで涼を強く想った一年だったらしい。 そんな中じっと待っていると、どこからともなくカウントダウンが聞こえ、そこにいた人たちはみんなそれに合わせ始めた。 『わ、わ、なに…っ?』 「年越しまで…ってとこだろ」 「あと5秒…4、3、2、……1」 『っ、あけましておめでと、2人ともっ』 ──チュッ、チュ 「……ああ、おめでとう」 「今年もよろしくな、涼」 『うん!……あっ、順番もきたみたいっ』 [*前へ][次へ#] [戻る] |