2 「それにしてもよく不登校にならなかったよね」 『んっ?なんで?』 「……もしかして気づいてない?」 「いいよね、守ってくれる人がいて」 『?』 何の話をしているかがサッパリ。そんな姿をみて自分たちがやってきたのはムダだったと知る。他の話をしながらお菓子を食べ進め、ふと吉良がこう漏らした。 「みんなはなんで親衛隊に…?」 「僕はもちろん海様の冷たい所に惹かれて!」 「ああ、確かに風立くんって香様に似て冷徹そうだもんね」 『でも話すと優しいですよっ?』 「それはあんたにだけでしょ」 ズルい、と駄々をこねる拓海だが、涼にはそれがよく分からない。 『ちゃんと話せば…仲良くなれるよ?』 「そうだね。香様も最後は笑ってくれたし…ただ外だけを見すぎたのかも」 「外ねぇ…確かに僕も大地様のことよく知らないかも。拓海は?」 「それはっ…その…」 「みんな、浅見くんがいなきゃ気づけなかったことだよね…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |