静かな時間 大地×涼 ほとんどの生徒が帰り、静まり返った校舎。そこの一室、図書館に大地はいた。授業で出された課題のために資料を探しているのだ。 他に誰かいる訳でもなく、のんびりと資料探しをしていると…いきなり後ろから声をかけられた。 『だーいーちー先輩っ』 「うわぁっ!?」 『ひゃあっ…!!』 本当にビックリしたのだろう。手に持っていた本を全て落としてしまい、それに驚いた涼が声をあげた。 「りょ…涼君……」 『あのっ、ごめんなさい驚かして』 「あ、ううん……ど、どうしたの?」 『いえ、見かけたんでお話ししたいなって』 そういってほわんとした笑顔を見せた涼に、思わず大地は顔を赤く染めた。いつもは周りに誰かいて、それを自分が止める役。なのに今は…2人きりだ。 『どんな本持ってるんですかー?』 「え、あの、これ…」 『海の生物図鑑?わぁーいろんなのがいますねっ』 「うん。深海魚とかそういうのを調べなきゃいけないんだ」 『ほぇー』 ペラペラと図鑑を捲りながら笑顔を絶やさない涼。そんな姿を見ながら大地は課題を進めていく。 [*前へ][次へ#] [戻る] |