2 「それよりさ、俺暑い」 「だから?」 「それで扇いでよ」 陸は難波のもっているうちわを指差した。 「は?やだねめんどくさい」 「えーケチー!!ケチケチケチ!」 「…あ゙ーもううっせぇな!扇ぐから早く焼けバカ」 そう言って難波はイヤイヤ扇ぎだした。暑い中に吹き付ける優しい風。陸は気持ちよさそうにした。 「はー…気持ちー」 「っ…!!バカだろお前。さっさと焼けよ」 「…?何だいきなり」 暑いのか、何かを想像したのか難波は顔を赤くして陸をせかした。いつもの難波と違う様子に陸も焼く作業を始める。 ただ、終始2人は無言だった。 「ほい。150円な」 「金とんのかよ」 「もち!…あざーっす」 ちゃんとお金をもらって焼き鳥を渡す。そのまま立ち去ろうとした難波だが、あることに気づく。 「これ…」 「1本オマケ!感謝しろよー?」 「はっ、バーカ」 何が感謝だ、うちわの扇ぎ代だといって難波はいってしまった。だけどどこか嬉しそうで、周りの人はあぁ…と何かを感づくのであった。 end [*前へ][次へ#] [戻る] |