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ニコッ、と。一には似合わないような爽やかすぎる笑顔を残し、キッチンへと消えていった。十夜はそれに疑問は持ったが、今は涼が先らしい。空いた横へ座り、チラチラと涼を見つめた。

いやもう、パパは寂しいといって父親とは思えないほど媚びを売っているが。



『うぅ、パパあつーい…』

「ガーン…!涼ちゃんが冷たい…パパショック」

『え…っ、あ、違うの。だって、』

「涼、んな変態ほっとけよ。うちわやれ」

『手…疲れちゃうもん』

「……アイツにはやってたろ」

『一兄ちゃんはこれ用意してくれたから特別なの!扇風機さんに風もらって!』


えい、えいと体を押してくる涼に、十夜の機嫌はさらに悪くなっていく。だがそこへ一がやってきて、まるで何事もなかったかのように十夜をどかして涼の横へ座った。

カラン、と氷の涼しげな音が響く。


「こっちのバケツにも氷入れるからな」

『ふぇ?…っわ、冷たーいっ』

「おい、俺のは」

「2人のはあっちのテーブルにある」

「あ?……は…湯のみってまさか…」


はい、熱いお茶をいれてきました。邪魔をするな、という警告なのかなんなのか。一のその攻撃に十夜はキレ、大きな舌打ちをして部屋へ戻っていってしまった。それを気にする涼だが一がうまくなだめ、縁側で2人のんびりと過ごす。

今日は一の勝利。いかに涼のご機嫌をとるかがカギとなるようだ。とはいっても、結局スイカを一緒に食べようといわれて機嫌がなおる十夜とパパなのだが。



END!

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