3 だが、それはあくまでも一時のことだ。しばらくすればまた、自分は死んでいる…と言う感覚に陥ってしまうのだ。 だからそんなとき、竜也は血を流す。人の血をみる。そうすることで、痛みを感じることで生を感じるのだ。 だから頭も真っ赤にした。血を思わせるような赤。 竜也の両親は髪の色の意味をしらないだろう。未だ自分を、他人を傷つけていることをしらないだろう。 だが竜也は、田中竜也として今この場にいる。 今日も、血を流しながら………。 「ははっ、血ィ…痛、い。……うま、い」 END [*前へ][次へ#] [戻る] |