メロン(海) 只今涼と海で抜け駆け夕食中。うまく他の人を出し抜いた海は得意気な顔だ。 「たまには2人きりもいいな」 『うんっ。ヒミツのご飯みたいで楽しいね』 えへへと何も知らずに笑う涼に海は心の中でしめたと思った。抜け駆けがしたいとき、秘密とかそんな言葉を使えば簡単に落ちる。 「……さて、そろそろ行くか」 『え、まだメロン残ってるよ?』 「…………………」 海のお皿にはメロンだけが残っていて、涼がそれに気づいてしまった。海は気まずそうな顔をする。 「嫌い…なんだ」 『んぇ、そうなの?じゃあもらってもいーい?』 「ああ、食べられるようなら」 そういうと涼はパクパク食べ始めた。その姿が可愛くてあまりにも美味しそうに食べるものだから…食べたくなってしまった。 涼が残りの一切れを口に入れたとき、海がそのメロンを追うように涼の口へと自分のそれを導いた。 『んっ……ふぁ、っ…』 「……ん、やっぱ苦手だ」 半分だけ海の口に移ったメロン。だけど海には合わなかったようだ。 『も、海くんのバカァッ!!』 . [*前へ][次へ#] [戻る] |