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 しかもこれ、菖蒲がいつか欲しいなといっていた植物なのだ。それがまた、心を暖かくさせてくれる。


(…僕も何か用意しておけばよかったかも)


 ごめんね、と心の中で謝っておく。でもそのことはいわないでおこう。会って一番にいうのは、『ありがとう』だ。もし紅葉がやったということを隠していたのなら申し訳ないが、これはいわずにはいられない。


「…あれ、でもこういうことするってことは…サンタはいないって知ってるのかな…?」


 紅葉なら、"サンタはいる!" とまだ可愛らしく信じていそうなのに。そんなことを思ってしまった菖蒲は、意外としっかりして現実を見ている紅葉に少しだけガックリとしてしまった。


(や…うん、いいんだけどね…)


 もったいない、なんて思うあたり、やはり菖蒲もこの学園に少しは染まっているのかもしれません。




(蓮見の場合)


「……ン゙…」


 のそり、とファンシーなベッドから起き上がる蓮見。ボリボリと頭を掻いて時計を見てみればまだ6時半。いや、もうすぐ起きる時間なのだが蓮見はいつもゆっくり寝ているのだ。

 トイレにいきたくて目が覚めたことにようやく気づき、大きな欠伸をしながら部屋を出た。



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