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(今日は早く寝て、明日早く起きないとっ)


 1人意気込む紅葉の計画は、至ってシンプルだ。みんなが起きる前に、サンタのように部屋の前にプレゼントを置いていこう、ただそれだけ。ソワソワした様子は隠せなかったようだが、バレることはなく1日が終わり、そして25日、麻を迎えた。

 寒くないよう服を着込み、5時半という早い時間に紅葉はソーッと部屋を出る。


「っ…はぁー…」

(建物の中でも寒ーいっ)


 朝が早いため、まだ暖房がついてないのだ。プルッと体を震わして紅葉は1階まで降り、寮官室…ではなくまた別の部屋に向かった。そこには、智春のために用意したプレゼントが。違う人に頼んでここへ隠してもらっていたのだ。


「っ…(しょ、)」


 "それ" を持ち上げて次こそ寮官室へ。あらかじめ合い鍵をもらっていたため、中の智春を起こさないように入り、プレゼントを置いて、目的のものを持って出る。オートロックだと鍵も返せて一石二鳥だ。


「(んーおもぉいっ)」


 いや、本当は大して重くないのだが。非力な紅葉には少し重かったのか、やっとこさサンタのように袋を肩に担ぎ、エレベーターへと向かった。



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