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 …のだが、紅葉は笑顔で若葉に手を振り、若葉もビデオカメラ片手に、周りのことなんてそっちのけだ。ある意味、恐怖の参観日である。


(ワイも紅葉とおるの、一番好きやで)


 父親、なんて立派なものではないが、こうして作文まで書いてくれ、何回も好きだといってくれる紅葉に感動しないわけがない。それから授業が終わるまで、若葉はずっと紅葉だけを見つめ、紅葉もときおり振り返っては手を振っていた。







「あんね、この作文ね、若ちゃんにあげるの!」

「ホンマかー嬉しいわー」

「ふへっ、うそ、かいてないんだよっ?」

「分かっとるって。ワイもな、紅葉が大好きやからよぉ分かるんよ」

「キャハハ、ナデナデ、すきーっ」


 大きな手でクシャクシャッと撫でてもらうのが、紅葉は大好きなのだ。

 家に帰ってきた2人は、先ほどの作文を机の上に広げながら、まったりとした時間を過ごしていた。紅葉が一番よく出来ていた…なんて、親バカなことだって普通に思ってしまう。



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