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 助けたつもりが、変な声を椿が出したせいで余計怯えさせてしまったが。


(アカン…プルプルしとる紅葉チャン、可愛すぎやろ…桐羨ましいわ)


「おい、いくぞ離れろ」

「(ふぇぇ…っ)」

「はぁ……マジかよ…ったく」

――ヒョイッ

「暴れたら落とすからな」


 ぐわっと変わる視界。…腰の抜けてしまった紅葉は桐の肩に担がれ、ちゃっちゃと次の教室を目指すことになった。相変わらずの軽さに驚きつつ、ただしがみついてくる紅葉を心のどこかで愛おしい、と思う桐。

 そして2ー2につき、ドンドンと中へ進んで桐はクリップを手に出て行こうとした。担がれていた紅葉は何もなかったのかと恐る恐る顔をあげ、シワになるほど桐の服を掴む。


「……あ゙?テメェ皺になるだろ」

「っ、…っは、…はっ」

「何だっつーんだ……ああ、アレ見たのか」

(やっぱおるんやー!)


 窓際に立つ、白い服を着た青白い女の子。硬直したまま目をそらせずにいると、その子は紅葉の方を振り返り、血まみれの顔でニタァ…と笑った。



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