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 長く待ちくたびれた桐たちの番。この30分ずっと震えていた紅葉は、桐にいわれて余計体を震わした。何もないかもしれない、でも、何かあるかもしれない。それが怖くてたまらなく、紅葉は先を歩く桐まで走り、何の迷いもなく空いている手をキュ、と握った。


「っ…なっ、なにしてんだ!」

「ぁ…っ、(やっ、手ぇ…っ)」

「おま…っ、チッ、やるなら一言いえ。礼はしてもらうぜ?」

「(コクコクッ)」

――ぎゅうっ

(…すげぇ震えてやんの…)


 繋がれたことにでなく、紅葉が繋いできたことに驚いて一度離した手。けれど暗闇の中でも分かるほど怯えている紅葉に同情したのか、桐は自分から手を差し出した。紅葉はそれを両手でギュウッと握り、桐に体を寄せて歩く。

 なんだかそんな紅葉にイタズラをしたい気分になったが、それ以上に守りたい、なんてバカな気持ちが出てしまったため、小さなペンライトを当てて保健室をゆっくり目指した。


「……こう見るとオペ室みてぇだな…」

「ひっ、……っ」

「想像したか。…廃病院のオペ室でも」

「っ――(うぅぅ゙ぅっ)」

「クク、…お、あったぜ」



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あきゅろす。
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