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当時――紅葉5歳


 幼いながらも幼稚園に通い、色んなことを学んでどんどん賢くなっていく紅葉。年の行事も大体この頃から興味を持つようになり、今年のお正月はちゃんとやろうと若葉は思った。

 年末の大掃除も終え、買ったものだがおせちも用意して。さすがに年越しは出来なかったため、若葉は次の日、いつものように起こしてちょこんと正座をさせた。


「ぅ…?おぁ、よう?」

「はよーさん。やけどな、今日の挨拶はちゃうんや」

「ぅ…?」

「年の始め、1月1日とその付近でおうた人はこうや、…明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、や」

「んぅ、あけ、あけましておでめとございます。こ、こもおねがいします、やっ」


 若葉と同じようにペコッと頭を下げながら、舌っ足らずに必死に真似をする紅葉。全くいえてない。…のだが、なんと可愛らしいのだろうか。

 若葉は慌てて口を押さえ、教育者として甘やかしそうになるのを必死にこらえた。


「最後の "や" はいらんで。…あけまして、」

「あけ、ましてっ」



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あきゅろす。
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