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ということで第一打者、三葉。タオルで目を隠し、別荘の管理人から借りたいざという時のための木刀を持って、その場で回転をする。5回回って歩き出した三葉を誘導するのは、一葉だ。
「右、右…っと、少し左ーっ」
「う、わ…目ぇ回るぅ」
「あとちょっと…あ、三葉、そこだよっ」
「よし、いっくよー…えいっ!」
――コンッ
「「………」」
勢いよく振り下ろされたそれは、確かにスイカに当たった。だがなんて非力なのだろうか。スイカに当たるだけでヒビすら入らず、みんなは何ともいえない表情で三葉を見た。
いや、桐だけがクツクツと笑っているが。
そして次は一葉。だが一葉もスイカを掠めただけに終わり、次の菖蒲も少しズレ、簀の子を叩くだけとなった。さぁ、やっと紅葉の出番だ。
「勢いよく振り下ろしていいからねっ」
「目、隠すよ?」
「(コクッ)」
(…あ、わ…真っ暗や)
思っていたよりも視界は暗くなり、紅葉は少し動揺してしまう。そしてそのまま体を回転させられ、完全に方向感覚をなくす。ピタリと止められ、フラフラと歩き出したが…。
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