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 えへへ、と。そしてまた若葉の頬に、チュッと唇を押し当ててくる紅葉に、若葉はもうメロメロだ。こんなにこの子を愛しいと思うなんて、3年前の自分は予想しただろうか。


「来年も、ちゃーんとビデオにおさめたるさかいな」

「なっ」

「その次も、その次も一生そばにおるさかい、ワイを嫌わんといてくれよぉ?」

「ぅ?わかちゃ、すきやでっ」

「……ん、せやな。かわえーかわえーお猿さん」

「うきぃっ」


 来年はどんなお遊戯をするのだろう。いつかはランドセルを背負い、帰ってくるのが遅いと心配ばかりするようになるのかもしれない。そして反抗期、思春期。男になって、結構をして。

 まだまだ先のことだが考えると少し寂しくなり、若葉は今を楽しもうと小さな紅葉をギューッと抱き締めた。


 他の誰よりも親子には見えず、他の誰よりも親子な2人。この先、どんな生活が待っているのだろうか。とりあえず今夜は、最近紅葉がハマっているいなり寿司に決まりだろう。




 END

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