1 ※小1後半くらい 「わかちゃ、わかちゃ!」 「ん、なんやーご飯やったらもうすぐ出来るで」 「わかちゃ、ぼく、じでーしゃのれるよう、なりたいんや!」 「じでーしゃ?…ああ、自転車か。乗ってるやん今でも」 「ちゃうのー!ゴロゴロ、ついてへんののりたいっ」 キラキラ…ッと素敵な夢見る瞳で料理中の若葉を見上げてくる紅葉。今日、学校帰りに友達が補助輪なしで乗っているのを見つけ、自分もああいう風にかっこよく乗りたい、と思ったのだろう。 乗りたい、とその意思をはっきり若葉へ伝えてきた。 「まぁ、いつかは外さんといけへんし…小1ゆうたらもう外すんが普通なんか?あー…まぁエエわ。ほな今度の休みに練習しよか」 「わー…うん!えへへーきょうのごはんなんやろーっ」 「クク、今日は親子丼やでー?」 「おてつだい、するっ」 「したら、箸とコップ並べてな。気ぃつけるんやでっ!?」 1年生になったとはいえ、大きなものを持たせるのはまだ危なっかしく感じて。手伝いのときは必ずそういった簡単なものしかやらせてくれない若葉でした。 さて、約束の休みの日、土曜日。今日は天気もよく、朝から2人は近くの広場へきていた。 [次へ#] [戻る] |