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小4編
「なー紅葉。紅葉の将来の夢って、何なん?」

「んぅ?どないしたの、いきなり…」

「ちゃうやろ、どうしたの、や」

「もー若ちゃん、うるさいのっ」

「も、紅葉…っ!」


 ガーン!と軽くショックを受ける若葉。だが紅葉がぷくっと頬を膨らまして上目遣いで見上げてくる様は可愛らしく、若葉はすぐに復活した。

 そして紅葉の横に座り、ビールを飲みながら『何となく』と答えてみる。


「んー…あのね、笑わへん…?」

「お、あるんか!笑わへんから教えてぇな。……って、まさかまだワイを持ち上げることとかとちゃうよな…」

「えーぼく、そんなことゆうたのー?」

「おーゆうたで。あんときはショックやったな…」

「あぅ…でも、あのね…今の夢、きっとにてるの」


 だからまたショック受けちゃうかも、と落ち込みだした紅葉に、若葉は慌ててフォローをいれる。そんなことないだの、紅葉の夢なら応援したいだのと。

 頭を撫でられて機嫌を戻したのか、ちょっと頬を染めながら紅葉はこういった。


「………若ちゃ、の…およめさん…」

「………」

「……若ちゃん?」

「っ──!///」


(ヤバいヤバいヤバいやろ!何なん今のっ。か、可愛すぎるやろ…っ)


 いくら息子のように思っているとはいえ、まさかのお嫁さん宣言に顔を真っ赤にして狼狽える若葉。だって仕方ない。遠慮がちに見上げてくる様が、とても可愛かったのだから。


「ダメ、なの…ぉ?」

「っ…や、ダメ…やないな、うん」

「えへへっ、ずっといっしょにいてね、若ちゃんっ」

「……おー。ワイがずっと守ったるからな、紅葉」


 怖いものからも危ないものからも、紅葉を狙おうとする害虫からも。紅葉小4の夢は、若葉への愛情が詰まったものだった。


 END

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