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いまだ髪が綺麗だの背が高いだの、次々と誉めてくるシロに怜治は…押し負けた。いや、このままシカトしてもよかったのだが、毎日つきまとってくるのが目に浮かんだのだ。
「はぁ…勝手にしろ」
「……え?……えっ!?」
「ただし、俺はテメェを助けねぇ」
「ぁ…あ、はいっ!怜治さんの邪魔にならないよう頑張るッス!一生ついていきますっ」
「……チッ、うるせぇ」
「はいっ!」
元気な返事とともに、うるさかった声はピタリと止まる。だが怜治を見る目は誉めてくれといわんばかりで、もし犬のように尻尾がついているなら、はちきれんばかりに振っているだろう。
やっぱりOKしなければ良かった。なんて思った怜治だが、自分に迷惑をかけないならどうでもいいやとも思う。こうして、族潰しのレイジにシロというワンコが引っ付くことになったのだ。
◆
「今日は自分と怜治さんが運命の出会いをした日なんッス!だからこれ、お祝い…」
「……バカだろ」
「はいっ!怜治さんバカかもしれないッス!」
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