黄土色の髪
怜治の今の髪は、黄色と茶色を足した黄土色のような、あまり綺麗とはいえない色。
染めたせいで髪は傷んでいるし、色が色なだけで余計そう見える。
その髪を丁寧にケアするのが、シロ。リンスを使うよういってはいるけど、減っていかないあたり使ってないだろう。
髪を結ぶとき、手に引っかかるのにシロはあまりいい顔はしない。
……さて、そんな怜治の髪だが、なぜそんな色になったのか。
元は茶髪だったはずなのに…。
──怜治とシロが出会って、一週間後。
「へへっ、へへへっ」
「………」
「ぐふふふ、へへっ」
「………キメェ。なんだクソ犬」
「ぅおっと、失礼しましたッス！自分ばっか喜んでちゃ失礼ッスよね！」
シロが怜治にまとわりつくようになって、周りは少しだが不満を口にした。
だがシロのもともとの容姿もあってか今じゃそれは受け入れられ、健気な犬としてみんなから見守られている。
そんなシロが、今日は自分の寝癖のヒドい髪を触りながらずっと気持ち悪く笑っているのだ。
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