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「あーまた逃げる。敵じゃないのに無駄な体力使って、ほーんとバカだねぇ…そこが可愛いんだけどさ」


「っ…嫌だ、来るな…っ!」


「くくくっ、いいよーもっと怯えなよ。恐怖に歪んだ目ぇ、見せてくれよぉっ!」



後ろにいないのに、アイツの声が凄く近くから聞こえてくる。
それが不気味で、早くカフェへ行こうととにかく走った。

けれど今は冬。
道に軽く積もっていた雪に足をとられ、ハデに転んでしまった。



「い゙っ…つぅ…」


「みーつけた。あららー可哀想に、痛いとこありまちぇんかー?」


「く、来るなっ…ほんと、なんなんだよ…っ」


「仲間のために走る姿よりも…恐怖に怯えてデタラメに走る方が君には似合うよ?弱いもんね、あんたは。物凄く弱いから、追いつめたくなる」



一歩一歩、ゆっくりと近づいてくる。

なんのことをいってるか分からない。不気味で、オレも地面を這うようにして後ろに下がった。


そして壁に背がつき、目の前まで来た紫がしゃがみ込む。
そのまま手を、まだ完治してない右頬に当ててくる。



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あきゅろす。
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