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少し距離の縮まったオレの頬に辰巳は手を添えて、凄く優しい目でそういってくれたんだ。
泣いちゃうよ、そんなことされたら…。
目からはボロボロと止まらなくて、オレは辰巳の手をギュッと握ったままひたすら名前を呼んだ。
好き、凄く好き。
今まで以上に大好き…っ。
「瑛太、いってくれただろ?この傷で俺が悩んでるとき…これはしたくてした。後悔はしてねぇって」
「うん…してないよ。オレの意思だもん…」
「オレもだ。お前のためにしたくてしたまでだ。それを汲み取って待っててくれた瑛太にも、すげぇ感謝してる」
「ほ、とはっ…逃げ出したかった!でも、でも辰巳が頑張ってるから…っ…ぅく、待つことしか、出来なくてぇ…っ」
「ああ、よく…頑張ったな」
「好き…っ…もう、離れること、ないよね…?」
「認めてもらえたしな。あとは瑛太が離れていく以外、考えらんねぇよ」
「…じゃ…ずっと、一緒だね…」
だって、オレから離れることなんてありえないから。
ふわりと笑ってオレから頬にキスをすると、辰巳も嬉しそうに笑ってくれた。
けれどまだ熱があるせいか、辰巳の動きは鈍くなり、お粥を少し食べたあとにまた寝ちゃったんだ。
大丈夫…だよね?
◆
──ピピッ
「ど、…どう?」
「……38度。まだあるな…」
「そっか…ゆっくり休んでね。そだ、汗拭く?」
辰巳が熱を出して2日目。
少しは下がったけど、まだ高い熱に少しだけ泣きそうになった。
そんな気持ちを隠すように汗だくの辰巳に聞いてみると、着替えたいという言葉が帰ってくる。
まぁ、だからお湯とタオルをとりにいって、戻ってきたんだけど…。
……オレが、拭くの…?
「瑛太…?」
「っ…あ、あ、えっと…!う、上の服脱がすねっ」
「クッ…んだ、変なこと考えてんのか?」
「ち、ちがっ…/// …だって、ずっと会えなかったじゃんか。アンタは…その、ドキドキしないわけ…?」
「するぜ、今も、抑えるのに必死だっつーの」
「っ…バカ」
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