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目の前で嫌いな勉強を難しい顔をして解いていくのをみて、難波は感心していた。この3週間みっちりだったのに投げ出さなかったこと、これが一番の驚きだ。

そしてテスト当日、陸は滅多に使わない頭をフル回転させて頑張った。勘で答えた所もあったが、難波のおかげでほとんど埋まる。もちろん頑張れば結果はついてくるもので、赤点ナシの87位という快挙を遂げた。


「じーんっ!見たかコレ!」

「知ってるに決まってるだろ?俺をなんだと思ってるんだ」

「あ、そか。仁もセンセーだった」

「なんだその忘れてたっつー言い方は」

「え゙、や、んなことないって!な、でも凄いだろ?」

「………ああ」


このときの陸は本当に嬉しそうな顔をしていて、見ているこっちまで嬉しい気分になるものだった。難波はクイッと口の端を持ち上げ、陸の頭をポンポンと撫でる。


「ぅわっ!?…え、仁?」

「よくやった。やれば出来るやつだな」

「っ…うっせ///子供扱いすんなバカ仁」

「ガキだろ、俺からすりゃあ」

「………ちぇっ」


ちょっと照れて、ちょっと拗ねたように。でもスキンシップがあるのは嬉しいから、難波の手に甘えるようにして大人しくされていた。


「……あ、そだ。ご褒美は?」

「ああ、お前のしたいようにしてやることにした」

「まっじ!?よっしゃ、どーしよっかなー」

「ただしベッドの上だけだがな」

「……はぁ!?」

「俺だって身を削って助けてやったんだ。分かるよなぁ?」


ニヤニヤ笑う難波に、陸は身の危険を感じて逃げ出そうとした。でもすぐに捕まり、強制連行される。


「ギャーッ!!お前はそれしかねぇのかよっ!」

「うるさい。…3週間我慢してやったんだぜ」

「っ…あ、それはですね…」

「陸はシたくないのか?」

「………シたい、です」

「ならいーだろ」


愛しい人が目の前にいるのにずっと我慢してきたのだ。大人しくなった陸に微笑み、そっとキスをした。


「っ…はぁ…じ、ん」

「甘ぇ…」

「ん…カフェオレ飲んだっけか?」

「ふっ…やっぱガキだ」

「うっせ!」


ここから先は2人だけのお話し。ミルクのように甘い甘い関係と、コーヒーのように大人な関係。

2人が出会ったのはきっと、必然なのかもしれない…。




end。
リクエスト本当にありがとうございました!

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