3 「涼…」 『あ、とーやっ!一緒に寝る?』 「っ…寝てやってもいいぞ」 『えへへ、寝よっか』 うさぎの耳がついたパジャマを着ている涼にドキッとしながら、十夜は一緒の布団に入る。2人でも大きいベッドに向かい合わせに寝っ転がると、顔を仄かに赤くした十夜と涼の目があう。 「お、おれ涼好きだぜ」 『? うん、僕もっ』 「大人になったら結婚してやる」 『わぁ…そしたらずっと一緒にいれるね』 「やくそくだからなっ」 『うん!』 そう涼が頷くと十夜は満足そうに笑い、2人で手を繋いだまま眠りについた。 あの事件が起きたのはこれから1ヶ月後の話だ。 「っ…次は絶対涼を守るからな!俺、つよくなるからっ」 『へへ…おに、ちゃ…失格だね…』 「違う!俺がよわかったんだ…っ、ごめん兄ちゃっ…」 あの事件は涼だけでなく十夜にも深い傷を残した。弱々しく笑う涼にワンワンと泣き、そして大和に喧嘩のやり方を習うのだ。 大事な人を守れるように、 あの笑顔を絶やさないように。 9歳にして十夜は心に強く誓いをたてるのであった…。 END リクエスト本当にありがとうございました! [*前へ][次へ#] [戻る] |