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いきなりの展開に蓮はついていけずにいた。でも探はもとからそのつもりで来ていたのだ。会社帰りにいつも蓮が寂しそうにしているときいて、何か自分の代わりになるものを…と思ってここまできた。

けど始めからそのことを言えば蓮は大丈夫というだろう。だからこそ秘密でここまできて、お気に入りを見つけさせたのだ。

「これで寂しくないね」

「嘘っ…ええの?」

「うん」

「っ…おおきに!探大好きっ」

「俺も」

抱き合って軽くキス。店員が困っていようが2人には関係ないのだ。それからはしばらくしてようやく離れ、リスを持ってお店を後にした。

「名前はどないしよっかな」

「スン」

「え、スン?なんか可愛い名前やね」

「ん。探の"ス"と蓮の"ン"。俺たちの子供」

「へっ………っ──!?///ぁ……うん、うんっ!」

探の言っている意味を理解したとたん、蓮の顔がカァーッと一気に真っ赤になった。そう言ってくれることが嬉しくて、涙を流しながらひたすら頷く。

探はその様子を苦笑いをしながらみて、蓮の頭を優しく撫でた。

「じゃ、ちょっと待っててね」

「うん」

あの後なかなか蓮が泣きやまず、一端近くのベンチに座って落ち着くまで待っていた。そして落ち着いたころには探のお腹がいい具合に空いてきてしまったのだ。

すぐ近くにいたたこ焼きの屋台を見つけ、探は蓮を残して買いにいった。……のを影で見ていた人がいたのだ。

「かーのじょ。彼氏と喧嘩?」

「っ!?ひっ…ゃ」

「怯えなくて大丈夫。俺は優しいし、ね」

「やっ…知ら、ん!けぇ、へんでっ…」

ナンパをされた。喧嘩をしたと思っている所からすると、泣いていたときからいたようだ。蓮はいきなり声をかけられ、完全に怯えてしまっている。

「ほんと可愛いね。…あ、指輪してるってことはもしかして人妻?離婚の危機?」

そういって男は蓮の左手を掴んできた。恐怖心が一気に募る。

「やぁっ!!はな…離してっ。喧嘩、してへ…んしっ、やだっ」

「そんなに拒否んなくてもいーんじゃん?」

「やだやだっ…すぐるっ…探!」

「…………何してんの?」

「あ゙?…ああ、旦那さん」

「っ…探!こわっ……怖かった…うぅっ」

「もう大丈夫」

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