1 平日編
これは本編より10年後のお話です。2人は24歳になり、大学も卒業して社会人となった。それでも2人はずっと一緒にいる。離れていたときはない。
今、探はサラリーマンとして会社へ通い、蓮は専業主婦として家事をこなしていた。安くていい一軒家に住み、2人で暮らしている。
この10年で何か変わっただろうか。…いや、特に変わってない。強いて言うなら蓮がほんの少しだけ男に慣れたことだろう。そして、蓮の色気が増したこと。それだけだ。
そんな2人の生活をちょっと覗いてみましょう。
探の1日は蓮の声で始まる。
「ね、探。起きてっ」
「…………………ん」
「今日はね、出汁巻き卵作ってみたん」
「卵…。あ、おはよう」
「ぅ、うん///おはよ」
何年経っても変わらない朝の風景。ベッドから下りた蓮を抱きしめて頭にキスを落とした。そしてそのままご飯を食べ、会社に行く。だけどその前にやることが一つ。
「蓮。ネクタイお願い」
「はい。………よし、探かっこええで!」
「蓮も可愛い。行ってきます」
「いってらっしゃい」
ネクタイの結べない探のために蓮が毎日結んで出勤となる。それを見届けた蓮はそそくさと家事に移る。掃除して洗濯して、そして買い物に出かける。
「あ、おはようございます」
「あら蓮ちゃん。おはよー」
「今日も可愛いわねぇ」
近所の奥さんたちと挨拶をする。初めは男同士を受け入れてもらえなかったものの、蓮の可愛さとラブラブ振りに周りも認めてくれたのだ。今や蓮はこの地域のマスコット的存在だ。
「皆さんもお綺麗ですわっ」
「やだーうまいんだから!」
「そうそう。今日は○×スーパーでお肉が安いわよ」
「え、ホンマですか?わ…買わなっ」
「いっぱい食べて頑張りなさいよ」
「?はいっ」
何を頑張るのか蓮は理解出来てないが、この地域に腐の人が増えていってるのは間違いないだろう。
買い物を済ませた蓮は再び家へ戻って来ていた。たった1時間の外出なのに、必ずナンパをされる。10年経ってもこれも変わらないのだ。
また、対処出来ないのも変わってないので、いつも探か近所の人に助けてもらってるのだ。
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