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『ゃ…ダメ、ですっ!!』

「………はぁ?」

「「え、なんなんすか…?」」

『うぅ……やだぁ』

「っ、おい……浅見」


後ろから久に抱きつき、前まで回らない手で必死に抱き締める。突然の衝撃に久は珍しく目を見開かせるが、涼は抱きついたまま動かない。顔も見えない。


「総長、何スかそいつ」

「んでもねぇ。………おい」

『……………や、だ』

「はぁ?」

『久先輩は、僕と一緒に来たんだもん。どっか行っちゃヤ!』


バッと顔をあげた涼の目は、強い光を放ちながらも潤んでいて、久は何がなんだか分からずうっと詰まらせた。チームの人も、その可愛らしい姿に顔を赤くする。


『僕を1人にしないってゆったのに…先輩、行っちゃうんですか…?』

「………はぁ、なんのことだよ」

『だって、この人たちと…』

「それは全部終わった後だ。つかもう離れろ」

『行かないですか?もっと僕といてくれますか?』

「チッ…………ああ」


そっと引き離した腕に今度は縋りつかれ、久は諦めたように頷いた。その瞬間涼の顔はこれでもかというくらい笑顔になり、何だかんだで弱いのかもしれないと頭を悩ませる。


『じ、じゃあ、あの、お礼がしたいんです!どっか行きましょう!』

「………………チッ」

「え、総長どういうことッスか!?」

「今日は行かねぇ」

『ぅぁ…ふへへ、久せーんぱいっ』


自分を選んでくれた久に嬉しくなる。結局今日も涼の1人勝ちということで、久は連れまわされることになった。


『あ、あの…僕邪魔…ですか?』

「………だったら始めから連れて来ねぇよ」

『っ…はい!今日は2人で楽しみましょーっ』

「……………はぁ」





END!
リクエスト本当にありがとうございました。

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